053 おい。見たかよ。人間技じゃねぇな
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《天の視点》
今を時めく高名な聖人レリトニール公子様と剣王アイリスが戦うと言う噂が広がり見物人がドッと押し寄せ、校庭は人でごった返していた。
受験生だけでなく上級生や学校の教授達も集まってきていた。
もはやお祭り騒ぎである。
野次馬の中にはテンシラーオン公爵令嬢の第一公女であるセシーリア公女や第二公女のシルビアーナ公女もいる。
☆
セシーリアは、テンシラーオン公爵家の第一公女でありセシーザス国立魔法学園の生徒会長である。名前も本校から名付けられたと噂の天才少女だ。
とある女子生徒Aがそんな彼女に質問を投げかけた。
「公女様。弟公子様と剣王様との試合ですが、どちらが勝つと思いますか?」
「さてどちらが実力的に上なのかしら。ずっと昔は、レトちゃんが勝ってきたわ。その後職天祭でアイリスちゃんが女騎士を得てからは次第にアイリスちゃんが実力を付けてきたわね。剣聖の称号を受けた頃にはアイリスちゃんの方が勝ち越していたわ。
でもわたくしもレトちゃんが修行から帰ってから戦った姿を見てないのよ。二人の実力が分からないの。
だから今から二人の戦う姿が見れるのをとても楽しみにしているわ」
と、自分もスポーツ観戦している気分であると表明した。
まぁまぁ
きゃー
などなど第一公女の周りの娘達もただただ大騒ぎしていた。
そして、もう一人の第二公女シルビアーナの方もあまり変わらない。
「わたくしのレニちゃん。あゝなんて可愛いのかしら」
王国の大公爵の第二公女は、壊れたパソコンのようにうわごとを言っていた。
第二公女の取り巻きの女生徒達もキャーキャーと騒いでいた。
☆★☆
一方、一般の男子生徒達は、注目の先が違うのである。
「お。アイリスちゃん。噂に違わぬ可愛い子ちゃん」
「見ろよ。お姫様の足。長げぇ。白いね」
「おいおい。彼女。胸デカく無い?」
健全? な男子学生の興味なんてそんなところである。
しかし、そんな浮ついた雰囲気も試合が始まるでだった。
「おい、見たかよアイリスちゃんの攻撃」
「いや早すぎて見えんかったよ」
「馬鹿。俺にも見えねぇよ。凄い攻撃だったなと言いたかっただけだよ。お。今度は斬撃飛ばしたよ」
「あ、聖人様跳ね返しちゃったよ。凄く無い? あ、木が倒れる。あーあ。
信じられねぇ。あの細腕からあんな攻撃を出すの?
人間技じゃなぇな」
「あれ? 試合終わったの? どうして?」
「なんかあの二人、瞬間移動とかしてない?」
「いやいや、さすがに聖人様も剣王様も瞬間移動とかできないっしょ」
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