052 試験なんかでこの二人は何をやってるのよ
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《賢者リビエラスト・リューペンス伯爵令嬢の視点》
我が光の公子様のお相手は、やはり剣王となったわ。これは当然よね。この二人のどちらと戦ってもわたくしでも無事で済むかどうか。
剣王アイリスの『神実の門』の結果もなかなか洒落にならないものだった。
そんな相手を前の公子様は全く普段と変わらないお姿だ。なんて素敵なの。わたくし身体が変になってしまいそう。
剣王アイリスはいつも公子様と一緒だから慣れてるのだろうけど。あんなお美しい光の君を前にしてよく戦えるわ。
我が光の君は、さすがの器のお方だ。こんな厳格な試験と数えきれないほどの観戦者なのに全くの平常運転。
わたくしなどは実技試験の時はあれほど緊張したのに。魔法が得意なわたくしは、接近戦に持ち込まれると厄介だったから色々策を練らないといけなかったし。
でも、光の公子様は接近戦も魔法も同じぐらいお得意らしいもの。
剣王を冠するアイリスと対峙しても余裕なんて。それに引き換え剣王アイリス嬢の緊張しているのが手に取るように分かる。
愛しい公子様と戦うのはさぞ辛いだろうけど無様な真似はできないわよね。
そうよ。アイリス。貴方は全力で戦いなさい。でないと公子様が光らないわ。
わたくしに公子様の格好の良いお姿を見せてアイリス。
わたくしは目力でアイリスに意思を伝えた。
アイリスが微かに頷いた。
分かっているようね。
あ。アイリスが仕掛けたわ。
は、なんて凄い剣戟なの。
こんなに遠くからでもあの娘の身体がぶれていたわ。
公子様。少し驚いた顔をされていたけど、アイリスが手加減でもするのかと思っていたのかしら。ふふふ。
でも、軽く受けてらっしゃるし。
公子様がアイリスを跳ね返された。凄い力。アイリスが吹っ飛びましたわ。
さすが公子様。
あっ! やっちゃったみたいな顔。可愛いくて綺麗で素敵でした。
アイリスったら剣技を使うつもりね。
さすが剣王。スキルの発動の早いこと。
あ。
公子様。いけません!
公子様ったら避ければ良いのに、全身で受け止めてらっしゃるし。あ、背後の女子を気にされたのですね。
なんてお優しい。でも好判断ですわ。女の子が巻き添えになってましたわ。
アイリスの斬撃をうまく制御されて跳ね返されるなんてなんて高等テクニックなの。
斬撃波は、、、あゝ、大きな木を倒してしまったわ。少しやり過ぎかしらアイリス。
公子様、木を見て顔を引き攣らせていらっしゃるし。
あ。アイリス。もっと力んじゃってるし。
あ! アイリスったら七色に輝いちゃって。こんなところで奥義を使うつもり?
ちょ、ちょっと待ちなさい。それはあんまりよ。
あ! 公子様が消えた。
あ! アイリスの額にデコピン!
アイリス。痛かったのね。涙目よ。
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