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046 下駄をはかせてください

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《レリトニール公子視線》


 ふむ。やはり門の具合が悪かったようだ。あんな大きな音でガチャガチャ煩いったらない。


 ここは幸い門の調子が悪かったと言うことで、俺の無能を誤魔化すのが良いだろう。


「試験官。あ、確かヤコーブ・ベールリックと言ったか、ちょっとこっちに」


 俺は先程、我が家の家臣だと名乗った試験官を呼んだ。家臣なら斟酌して色々骨を折ってくれるかもしれない。


 試験官のヤコーブ・ベールリック騎士が門を潜ると爽やかな鐘の音が涼やかになった。


 あ。やっぱりこの門、俺の時だけ調子が悪かったようだ。


 俺は確信をもった。


「ヤコーブ・ベールリック。すまんがどうやらこの門は調子が悪いみたいだな。

 君の見識を持ってすれば正しい評価はできるんじゃないか? 分かってるよね?」


 俺はさも意味あり気に言った。


 それを聞いた試験官のヤコーブ・ベールリックは、俺の前に土下座しかねないほどの勢いで地面に膝をついて頭を下げた。


「もちろんです。いくらなんでもあれをそのまま伝えるのはどうかと。お父上と計らい世間にはもう少し柔らかく報告致すことになるのではと承知しております」


 うむうむ。


 この騎士、分かってるね。


「そう。よろしく頼むね」


 どうやら下駄を履かせてくれるらしい。何の能力のお告げも無かったことを無かったことにしてもらえるようだ(大事なことなので重ねて言った)。


 既に父上にも俺は大した結果を出せないと謝っているし、公爵を姉のセシーかシルフィーのどちらかが継げば問題は解決だ。


 さすがに追放と言うこともないだろう。



(国立魔法学園の正面門『神実の門』で、凄まじい音が鳴り響いたと、国中が大騒ぎになったのは言うまでもない。

 その日、王国はこの日を『聖人の降臨日』と名付けたが、その張本人だけなぜか誰もその事実を知せなかったと言う。

 本人はしってるよねって思われたからである)

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