045 は? え? なに?
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《嫁候補サスティナの視線》
わたくしは、ジャラート男爵の次女サスティナ。わたくしは、レリトニール公子様のハウスキーパーを任じられている。
ハウスキーパーは、大家にあっては家事一般を統べるメイド長のような存在である。
わたくしは、テンシラーオンの寄子であるジェラート男爵家の娘として公子様のお世話をすることは生まれてくる前から決まっていたそうだ。わたくしが女の子だったことで両親は、とても喜んだそうだ。男の子でなくて本当に良かった。
わたくしが公子様にお仕えしたのは今から5年前の八歳の時だ。
最初に公子様を見た時から私は公子様の美しさの虜となっていた。
はっきり言って、公子様の美しさは異常だ。人とはとても思えない。
なによりも公子様は伝説の聖人様だ。
そして、神様から頂いた称号などなくても公子様は本当に凄い方だ。
知将リューペンス伯を凌ぐとさえ言われる賢者リビエラスト様や学術尚書エーメラルダ様達の先程からの興奮を見ていても、公子様がどれほどの天才でらっしゃるのかが分かる。
もちろんわたくし如きが公子様の知恵の深さを測るなど、おこがましいことだけど。リビエラスト様やエーメラルダ様のお二人が心酔されるほどの天才だと言うことだ。
そして、武だ。
代々剣聖を輩出する武の頂点であるマーキラーシュ子爵家の中でも最も才能が高いとお噂の高いアイリス様は、この一年ほどの間、公子様とご一緒に修行されいる中で剣王になられたと言う。
たったの11歳で剣聖になられたことも驚きの剣の天才だが、剣王など何十年ぶりかの凄い称号だ。
世に王とつく称号は、百年に一度の逸材と聞く。
わたくしの知るところ剣聖はマーキラーシュ子爵様と近衛騎士団長オーエン・ジャムシク様、第一騎士団長オラート・イッシューラッツ様の三名しかおられないはず。このご高名なお三方を上回る実力をお持ちなのが剣王を冠するアイリス様だ。そのアイリス様が『神』と賞賛している。
美・知・武
それらの究極の存在がレリトニール公子様だ。
公子様が天才なのは職天祭の前からわかっていたことだ。天職を持たないのに幾つものスキルをLv3にまで上げると言う信じられない才能を示しておられた。
公子様の天職は、わたくしはうまく発音できないがモプププとか言うとても不思議な響きの天職をお持ちだ。誰も読めない記号で表記されているそうで、公子様以外誰も正しく発音できずその意味も公子様以外には正しく理解できないらしい。
わたくしもアイリス様に習って公子様の天職を正しく発音しようと練習したが息を吹き出しながら唇を振るわすなんて器用なことはできない。どうしてもプププと嘲笑うような変な音になってしまうのだ。
そういえばわたくしが公子様の天職の発音を練習していたとき公子様が「それじゃモップ」だねとか言ってお笑いになられていたが、「モップ」って何だろう?
少し長いので話を二つに割りました。次回は18時に掲載予定です。
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