039 あれれ、不思議。不治の病が治ったよ
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俺が魔法を発動すると同時にアナウンスが鳴った。
《スキル『完全回復魔法Lv1』を取得しました。ユニーク魔法を単独で習得したため『大賢者』の称号が送られました》
スキルと称号まで授かったようだ。
「どうです? 状態異常の具合は?」
こちらの世界にはステータス画面が存在する。つまり病かどうかは状態異常の箇所で確認することができるのだ。
便利。
「え? あっ! 『不治の病』と言う表記が無くなっています」
亡国の姫メラーシアさんは、そう言うと感極まったのか涙を流し始めた。
この人、泣いていてもなかなか艶めかしいんだよね。寝巻き姿がそう見させているのか。
「公子様。凄まじいばかりの大魔法でした。まさか本当に治されるとは」
は?
女執事リビエラの言葉に絶句する俺だった。
「どう言うこと? 治せって言ったよね?」
「いえ。確かに伝説の聖人様は、あらゆる病を癒したと伝承されていますが、本当だったのですね。
感動致しました。取り乱してすみませんでした」
伝承だけで言ったのかよ!
「レリトニール公子様。このことも父上に報告いたしますね。
ふふふ。奇跡を見れたわ」
嬉しそうに諜報員エーメラルダが言った。
「公子様。そのような大魔法。迷宮では一度もお使いにならなかったですね。
良いものを見せて頂いて、公子様への尊崇の気持ちが更に高くなりまし」
剣王アイリスが目をキラキラさせて言った。
そりゃ、知らない魔法だからね。なんだか言い辛くなっちまったけど。
「お,オメェ。本当に聖人様だったんだな」
戦闘爺やサイラスまで、その場に平伏して大騒ぎになった。
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