296 どんな常識も通じないのですね
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《アイリスの視点》
やはり光公子様はとても偉大な方だった。
ジャストフットのサンにも、改めて聞いてみると、我々のレベル6でも相当に凄い事だったようだ。
それが今では我々もレベル8だ。わたくしは権能をノアを羽虫に変えようとして失敗した一度しか使った事がない。だからそのすごさなんてよく分からないけど。
わたくし達の世界の周辺には数えきれないほどの世界が存在し、そこには数多の神々が住むそうだ。
そんな中でも地球は稀な世界だそうで、これほど多くの生命を育む世界は無いそうだ。
それゆえに月はテーマパークとなり地球は鑑賞されていた訳だ。
ジャストフットはとても過酷な世界に誕生し、神にまで進化し、周辺の世界までも支配するようになった存在らしい。
彼らは、とても広大な世界を支配する神でありその支配する空間には数えきれないほどの世界が存在するのだそうだ。
ところがそんなジャストフットの最高神である上帝ダイハールでさえ権能のレベルは7なのだとそうだ。
そしてジャストフットと同じ程度の勢力を持つイネルバはもちろん、恐らくジャストフットよりもずっと勢力の大きなアウターの最高神でさえレベルは7を超えてはいないだろうとの事だ。
もし、最高神のレベルが違えば、互いの勢力の均衡は保てずあっという間に支配されてしまうから間違いないだろうとの事だ。
最高神ですら今の我々よりもレベルが低いのだ。ましてや月の最高司令官だったノアはレベル4に過ぎなかったそうだ。それでもジャストフットの神々の中では高位の存在だったのだ。
つまり、広大なジャストフット、アウター、イネルバの三強の支配する世界において光公子様を始め我々は無敵になったと言う事だ。
「でもそもそも光公子様はそんな高レベルにどうすればなれたのですか?」
わたくしが尋ねると光公子様はなんでも無いように答えられた。
「レベル上げは効率を極限にあげる事がコツだよ。真理の書替の権能のスキルも分与のスキルも様々な条件でたくさん使うだけだよ。
モーフから権能を貰ってから僕はずっとレベル上げしてたんだよ。
この能力ってさ、権能の能力そのものさえも変えられるだよね。だから自分の権能を自分に与え続けて増えた権能からも更に自分に権能を与え続けていたらどんどんレベルが上がったんだよ。でもこの方法は全能の神様って人からダメ出しされちゃってね。
次は思考速度を早くするのと頭の中に別の思考回路を作るって事を権能を使ってどんどんしていったんだよ。そうすると何十万何百万の自分の頭が頭の中にできるんだよ。気持ち悪いけどね。しかもその頭は普通の頭の何百倍も早く思考できるんだよ。変な事を考えるでしょ?
そのたくさんの頭でとっても早くたくさんの権能を使うんだよ。それも権能でもっと権能の能力が上がるようにするんだよ。そうしていたらどんどんレベルが上がったんだよ。
でも全能の神って人にこれもダメ出しされてね。それから、、、、」
「光公子様。よく分かりました。もう結構です」
いつまでも続きそうだったので光公子様の言葉を止めた。この方はレベル上げの天才なのだろう。あまりにもずば抜けたレベル上げの方法は本当に凄いのだろう。
誰も存在すら感知できない全能の神様からコンタクトされているところからもその凄さが伺える。呆れを通り越してなんだか可笑しくなってしまった。
光公子様は恐らくレベル上げを趣味のようにしていただけで、他意はないはずだ。それが恐ろしところだ。
もし、邪な思いを持ってレベル上げをしていたら全能の神様が放っておかなかったような気がする。
「光公子様。その全能の神様とはどんな方なんです?」
「知らないよ。フェアー精神に溢れた神様かもね。でも僕は良いアイデアが思い浮かぶと試さないといられないんだよ。ズルをするつもりなんか無いんだよ。
最近では効率が上がったかなと思ったら直ぐにダメになっちゃうからね。ずっと監視されてるのかもね。ふふふふ」
ふふふふじゃないわよ。
全能の神様にズルをしないように監視されているとか想像もできない。
なんか全能の神様も光公子様との関係を楽しんでいらっしゃるに違いないような気がする。
やはりこの方にはどんな常識も通じないのね。
わたくしは呆れるよりもますます光公子様を尊崇すること思いでいっぱいになった。
その気持ちは我々の共通の認識なのだろう。女性陣からはハートの瞳で見つめられている。
その皆さんを見ていると光公子様を尊崇の瞳で見ているアルテミス様が目に入った。
彼女も大人しくすると誓って今回から光公子様の取り巻きの一人に加わった人だ。あゝ、そしてジャストフットのサン様も、同じ瞳で光公子様を見つめていらっしゃる。また一人増えたのですね。
今からお助けする月の女神様達もきっと光公子様のファンになるのは絶対だけど、モーフ様のお妹のルナ様はとても美しいとのことだから嫌なら予感しかしない。
光公子様。これ以上お嫁さんを増やしたら大変ですよ。
わたくしは恐らく他の人たちと同じ瞳をして光公子様だけを見つめてそう考えていた。
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