293 余の前にひれ伏すがよい、、、はい? 馬鹿なの?
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《ジャストフットの司令官秘書サンの視点》
この男はどうしてこんな野蛮で醜い姿にこだわるのだろう?
呆れてものが言えないわ。
あ、良かった。ガイアの貴族風の姿に戻ってくれたわ。でもせっかく『定理の強制』の権能を使っているんだからもっとイケメンにならばいいのに。勿体無い。
ノアは恐らく美的感覚が相当低いのだろう。あるいはあまりにも保守的なせいで伝統的なジャストフットの醜さを本気で愛している変態なのかもしれない。
あんな醜い姿を過酷な環境に適応した美しい姿だなんて言う人たちの気持ちなんて分かるわけないわ。
ほんとこんな男と分かり合えるなんて絶対あり得ないわね。
ノアが一緒に行くかと珍しく提案をしてきたのはわたくしの実家のミノス家を慮ってのことよね。ほんとムカつく。
わたくしには崇高な目的があるのよ。
わたくしの理想を叶えるなんてこんな半端な星系ではあり得ないって百も承知しているわよ。
お父様は跳ねっ返りの娘がつまんない宗教にはまりこんで皆さんに迷惑をかけないようにってなんて思ってこんなところにわたくしを押し込んでしまったのなんてバレバレだもの。
辺境世界の異種族と接触できる星系に行くことを望んだのはわたくしですもの。
さすがにここを職場に選ぶなんてお父様は本当にずるい。
人気のスポットだし、わたくしの好きな美しい世界だけど。
でもこんな機会が来るなんて。本当に世の中は不思議だわ。異種族の神々と本当に接触できる日が来るなんて思っていなかったもの。
あの方々がたとえテーマパークに採用された美しいだけが取り柄の世界の神々だったにしても、こんな機会が向こうから来るなんて想像もしなかったわ。
☆
ノアがわたくしと一緒に転移すると、そこはテーマパークのセットの中だった。
わたくしは、目の前の神々を見て、絶句した。
なんて美しい方々なのだろう。
何よりも皆の中心に立たれた神は、言葉にできないくらいに美しい神だった。
さりげなく目立たないオーラを纏っておられるのもわたくし好みよ。
このオーラってあまりにも美し過ぎるから目立たないように纏っておられるのですよね。
わたくしはあまりの衝撃で、立っているのがやっとだった。これも『定理の強制』でこの星の神になっているからかしら。
これは一目惚れだ。完全に全てを持っていかれてしまった。
わたくしが改めて言葉をかけようとした時だった。ノアの信じらんない時代劇のような馬鹿な事を口走り始めた。
「下等なる蛆虫のようなガイアの民よ。余は上帝ダイハール様の重臣のノアである。
余の前にひれ伏すが良い」
は? 何に言ってのん? 馬鹿なんじゃない?
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