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284 トーナメント準々決勝

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《レリトニール公子視点》


 お祭りは盛大に行われた。神々はお祭りが大好きだ。


 巫女姿の女神が舞を披露したり、天女のような女神達が舞踊を披露してくれた。音楽の神々が楽器を奏で歌の神が楽曲に合わせて歌ってくれた。


 たくさんの食事が運び込まれ、山のように積まれた酒樽がみるみる消えて行く。神々の食欲は底抜けだった。


 楽しい音楽と美しい神楽舞を見ながら俺たちも盛大に酒盛りをしていた。


「光公子様。誰が勝つと思います?」


 サスティナ嬢が黄金色の髪の毛をかき揚げながら尋ねた。金色の瞳がキラキラ輝いており彼女の美しさが最近とても増したように感じた。


「そうだなぁ、三皇チームの女媧様なんかは強そうだよね」


「女媧様もですが、わたくしは、天帝チームの黄帝様がお強いと聞いております。ワクワクが止まりせんね」


 最近、剣鬼と呼ばれるようになったアイリス嬢もどう言う訳か美しさが止まらない。あまり目立たなかったアッシュゴールドの髪の毛まで輝き瞳のアッシュアイも白銀の瞳のように見えるようなり、少し印象が変化したようだ。


「そうだね。天津神チームからは剣神ユーリプス様が出るらしいね。アイリス嬢はユーリプス様と戦うのだろ?」


「はい。今度は良い戦いができればと思います」


「しかし、ユーリプス様も強くなっているからね。油断できないよ」


「はい。頑張ります」





 宴会が最高潮に達した辺りでメーンイベントのトーナメントになった。


 各チームから代表を出しての戦いだ。


 我々の代表はくじでアイリス嬢に任せることになった。


 俺?


 最後に勝った人とエキシビションなんだと。


 まぁ、トーナメント優勝者と勝負しても勝てるわけないのだが、ガイアから大神御神(おおみわみかみ)の位を譲られたらしい俺がどうしてもトリを取るようにと皆が言うので仕方がない。


 舞台は武闘場になり、朱雀様とアスラ様が戦っていた。


 アスラ様はずっと俺と修行をしていたので結構強くなっていた。


 相手は有名な四神の一人。朱雀様だ。朱雀様も相当強くなったのが醸し出している風格からも分かる。


 一回戦目の一番の好カード。戦いの行方はどちらに。



 壮絶な戦いが繰り広げられた。主神格の神々の戦いがこれほどとは想像を超えていた。


 アスラ様は朱雀様よりも格下の神様だったはずだがいつの間にかあれほど強くなったのか。


 見事に朱雀を下していた。


「アイリス嬢は、アスラ様に勝てる?」


「そうですね。何とかなると思います」


 さすがに我が最強のアイリス嬢だ頼もしい回答であった。


 一回戦がどんどん進みアイリス嬢の番になった。


 相手はケツァルコアトル(蛇神)様だった。どんな戦いが繰り広げられるのか楽しみだ。


 ゴングが鳴った。


 と思ったらアイリスはケツァルコアトル様を真っ二つにしてしまっていた。一瞬の戦いだった。ケツァルコアトル様は三位明神様だが、アイリス嬢の強さは随分と突き抜けてしまったようだ。


 それを真っ二つとは驚きを超えて恐ろしいほどだ。


 ケツァルコアトル様は直ちに救護班によって復活していたが、ロストの可能性がゼロでは無いのだからあまり無茶しないで欲しい。


 とは言えうちには救護の得意なリリーアージュ嬢とメーラシア嬢がいるので安心だ。


 ちなみにリリーアージュ嬢はトレードマークのベールがなぜか天女の羽衣のようにフワフワして顔がチラチラと見えるようになった。


 その顔があまりにも美しいので目が吸い寄せられてしまう。彼女の神秘的な紫の瞳と目が合うので魂を持って行かれる気がする。素敵すぎだろ。


 彼女は美の女神アルテミス様と比べても勝るとも劣らない美貌だが、それに神々しさが交じり拝みたくなるようだ。


 街に出れば間違いなく民衆から傅かれて拝まれるレベルだ。


 メーラシア嬢も白銀の髪の毛や耳長な容姿がますます磨きが掛かりそもそも魂に刻まれた妖精の雰囲気が濃厚に出ていた。


 美しいだけでなく気品にみちその容姿はさすがの女王様だ。


 トーナメントは進み三回戦目となった。


 三回戦目での一番の好カードはポセイドン様vsユーリプス様の戦いだった。


 ポセイドン様の三又の矛は結構厄介そうだ。あのリーチは剣士には不利だろう。どう戦うのか。


 ワクワクして見てたらこの戦いも一瞬で終わってしまった。ユーリプス様の居合い抜きでポセイドン様の神器であるトライデントが切り落とされしまったのだ。


「アイリス嬢。ユーリプス様に次元切りを教えてあげたんだ」


「はい。あの技はとても人気でたくさんの神々に教えを請われました」


「へえー。皆さん修得できたの?」


「はい。皆さんとても優秀で」


「ふふふ。アイリス嬢が剣鬼のあだ名をもらったのはその神々からでしょ?」


 エーメラルダ嬢が笑いながら指摘した。相当に厳しい教えだったのだろう。


 エーメラルダ嬢はもはや忍びの一番大事なものを失ってしまった。それは目立たなと言う特性だ。モブな俺と親近感があったがあまりにも美しく煌びやかな容姿になってしまったため隠密な女忍ぽさなど一ミリも見当たらない。


 恐らく素地が綺麗過ぎるのだろう。目立たなかった濃い蒼髪の毛も黒い瞳も今では輝いて見えるのは気のせいではないだろう。


 アイリス嬢と楽しそうに談笑している二人を見ながらこんなに二人は美しかったかなと首を捻った。


(レリトニールの嫁候補達は元々成長期にあったので美しさに磨きが掛かるのは必然でもあります。ただし彼女達がこれほど美しく強くなれるのには別の理由がいくつかあります。彼女達はレリトニールの修行によりレベル限界を完全に振り切ってしまいもはや人間をやめてしまっています。それが容姿にも強く影響しているのが一つ。

 彼女達が所有する聖天と言う称号が今では神を超えし者に送られる称号と変化していたりします。

 これはレリトニールが大神御神(おおみやみかみ)になった時に変わりました。その称号の効果が彼女達の容姿をより美しく輝かせています。

 さらに大神御神(おおみわみかみ)の権能には『真理の書替』と言う権能があります。その権能により天津神主神のゼリューシュはゲームのような世界を作っていたのですが、それに拍車をかけたのがレリトニール公子です。

 レリトニール公子はその権能を勘違い野郎なために無意識に使って様々な変化を世界や神々に齎していますが全く自覚が有りません。この変化に気付いているのは

いつも右肩に座っているモーフや天津神の主神ゼリューシュぐらいでしょう。

 彼の周りで起こっている変化はご都合主義的に見えますがそれはその権能があるからです)


「主要な神々に剣を教えるなんてアイリス嬢の腕の冴えはもはや神を超えているんだ。凄い。凄い。」


 俺はアイリス嬢に言った。


「いいえ。わたくしの課す修行なんて光公子様の修行に比べたらお遊戯のようなものです」


 アイリス嬢が謙遜して言った。


 そんな話をしている間にもトーナメントは進んで行った。


 第5回戦の目玉。ヘリオポリスの冥界の神オシリス様vsシュメールの主神エンリル様の戦いだった。


 彼らの戦いも壮絶を極めた。結果はエンリルの勝利だった。


 負傷したエンリル様を嫁候補のマリーシア嬢が介護している。考えてみるとマリーシア嬢などまだお子ちゃまだったはずなのにあの美しさなんなのだろう?


 天才なんて称号を持つ彼女は年齢以上に感じる大人びた女の子だと思っていたが銀紫眼だからだろうか? サスティナ嬢と競うように美しい黄金の髪の毛のせいだろうか? それとも成長の早い女の子特有の抜群のスタイルの良さのせいなのだろうか? 本来的に持っていた王族の気品のせいだろうか? あまりにも魅力的過ぎて目が離せない。



 第六回戦の好カード。


 トール様vsラ・ムー様との戦いだった。トール様は有名な北欧神話の最強の神、ラ・ムー様はムー大陸の太陽神様だ。どちらが勝ってもおかしくない。


 両者の戦いはさすがに他の第六回戦目の戦いとは隔絶した戦いとなった。超有名な二柱の神の戦いは、俺の想像など遥かに超えた戦いになった。


 結果はトール様が勝った。実力はまさに僅差だったろう。トール様が神器金槌(ミョルニル)を持っていたことによる差かと思われた。


 こうして戦いは準々決勝に突入した。もちろんアイリス嬢も入っている。


 準々決勝は以下のような好カードばかりになった(敬称略)。


 ロキvsティアマト

 トールvs大悪魔サタニアザム

 アイリスvsタイタン

 ユーリプスvsイデオン

 八十禍津日神vsアポフィス

 アスラvsアトラス

 黄帝vsリバイアサン

 女媧vsナイアーラトテップ


 ここではトーナメントの様子は語らない。別の機会があれば詳しく説明しよう。壮絶にして空前絶後な想像を遥かに超えた戦いが繰り広げられたのは言うまでもない。


 勝者は上の試合の順番で


 北欧邪神チーム代表のロキ神様。

 北欧神話チーム代表トール様

 我が剣鬼アイリス嬢

 天津神の代表剣神ユーリプス様

 日本神話チーム|八十禍津日神様のお1人

 インダスの代表アスラ様

 7神の代表黄帝様

 三皇チーム代表女媧(じょか)


 となった。

 

 続いて準決勝はくじにより


 トール様vsアイリス嬢

 ユーリプス様vs女媧様

 八十禍津日神様vs黄帝様

 アスラ様vsロキ様

 

 となった。どれも最高の好カードだ。


トーナメントはこの話から全3話予定です。それから異界の神々遍となります。

夕方、2話目を掲載する予定です。

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