283 皆の賛成があっので案を出したら、みんなが乗ってきた件
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《レリトニール公子視点》
今日は、皆の慰労を兼ねて本当のお祭りを行う予定だ。
「祭りをするよ」
俺のその言葉で全員が固まった。みんな祭りって言葉に敏感だよな。
そんなに嬉しいの?
「もう、騙されないぞ」
どこかから叫び声が聞こえた。
「黙れ。レベルが上がって良いじゃないか」
誰かが叫んだ。
「光公子様に意見など百万年早い。切るぞ」
はい。アイリス嬢は黙ろうね。俺は黙ってアイリス嬢の頭に手を乗せる。そうすると彼女は尻尾をブンブンふる子犬のような愛らしさで振り向いてくれる。
俺は指を立てて唇に手を当ててみせた。
アイリス嬢がコクコクと頷いた。最近では剣鬼と呼ばれる彼女。
セレスによると彼女の斬撃攻撃は核融合兵器よりも攻撃力が高いらしい。理論の説明をしてくれたが分からなかったので省略する。
「あゝ。今回は修行とは違う慰労の意味を込めた祭りね」
本当、修行好きなんだから。
なに? その疑いの目は?
あれ? 俺の嫁さん候補達まで疑いの目だし。アイリス嬢とリリーアージュ嬢だけが単純に嬉しそうなのも逆に不思議だが。
さて、祭りの概要だ。
「第千五百十七層は全ぶち抜きのフロアになっていて広さもちょうど良い感じなんだよね。
そこでセレスの全クルーに集まって貰って祭りを開催します。余興は各主神クラスが案を提出してくださいね。
祭りが終わったら厳しい戦いが待っていますから、ここでは皆さんは、羽目を外して目一杯楽しんでくださいね」
☆
と言うことで俺たちも余興を主催することになった。
「魔法理論の実証などはいかがでしょうか?」
リビエラ嬢。却下。
「剣の試し切りなどは?」
誰でしょう? 却下。
「やはり槍の投げ比べでしょう」
シュレディー卿。却下。
「火魔法の温度比べなどは」
リージィー嬢。却下。
「刀の展示会などは?」
エカテリーナ嬢。却下。
「いっそ、トーナメントで皆が戦うなんてどうですか?」
採用。
「よし。同じ案が出そうだから先にうちの案として提出しようね」
「「「「「「「賛成」」」」」」」
陳腐な案と言わないで欲しい。ご都合主義とも言わないで欲しい。批判は正論であるほどされる方は辛いのですよ?
でも楽しいから良いんじゃ無い?
☆
セレスが俺たちの提出した余興の内容を公表すると脳筋な神様達は俺の余興に全乗りしてきた。
何だよ。結局、トーナメントが楽しいんじゃん。または考えるのが面倒臭いとか?
そんなこんなで祭りの余興はトーナメント大会と決まった。
皆、修行の効果を試したくてうずうずしているのもあるのか。力比べしたいのか。本当に脳筋だ。
「マスター。皆さんが全力で戦った場合我が航宙船は86%の確率で深刻な影響を受けることになります」
「それなら大丈夫。第千五百十七を迷宮化しておくよ。そうすればどんな攻撃を受けてもセレスは大丈夫だよ」
(そんなことができるなら防御に使ったらとのご意見があるとも思いますがレリトニールの頭には修行しかありません。しかし一見非効率にも見える彼の修行主義こそが国津神などの弱小勢力を星間規模の超勢力に対抗できるようにする唯一の正攻法だったりします。急がば回れですね)
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