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273 大帝国の皇帝と光公子様の間

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《レリトニール公子視点》


 俺は今、天界を案内してもらっている。


 あ、天津神様の皆さんは羽が生えてらっしゃいます。綺麗な白い羽だよ。


 アルテミス様も生えている。


 神様は年齢なんて関係無いのだろうが、何万年も前にこの世界に逃げてきた他所の神様らしい。


 国津神様も空は飛べるがさすがに星の重力圏外まで飛ぶ力はならしい。天津神様は羽が生えているので宇宙まで飛べるのだそうだ。


 なんか違う気がするがそれは横に置いておこう。


 天界は確かにテクノロジーがどうとか言いたくなるような代物だった。


 巨大と言う言葉では表せられない。明らかに火星の衛星のフォボスやダイモスなどよりも大きいだろう。


 最低でも何百キロとかいう単位の大きさがある。


 しかも中は積層構造である。全ての層の面積を足せばとんでもない広さになるに違いない。


 なので天界を案内してもらっても、全てを見るわけにはいかないだろう。


「みんな傅いているね。あの女神様って偉いひとなのかなぁ」


 俺はリビエラ嬢に耳打ちした。


「さあ、どうでしょうか。あの方々も立派な羽が生えてらっしゃいますから神様なんじゃないでしょうか」


 リビエラ嬢にも分からないことがあるようで安心だ。


「シェーハさん。あの方々はなぜかしずいてらっしゃるのでしょうか?」


 なぬ? リビエラ嬢はこの案内してくれている女神の名を知っていると?


「ふふ。それはリビエラ様やアイリス様の威厳に打たれて自然に傅いているのですわ」


 なるほど。この女神は見る目がある。リビエラ嬢とアイリス嬢は二人は飛び抜けて強いからね。納得だ。


「いえいえ。光公子様に比べたらわたくしなど豆粒みたいなものですよ」


 豆粒だなんて。良く言うよ。


「はぁ、わたくしには光公子様の実力は良く分かりません。主神様があれほど丁寧に対応されているので立派な神様の関係者かなとか思ったりしましたが。

 わたくしにはあそこに傅いている下級神の方がよほど、あ、いえ失礼しました」


 シェーハは実に正直な女神だ。言っていることは分かる。モブなので存在が希薄なんだよね。ぐすん。


「ひっ」


 俺は剣気をダダ漏れにしてシェーハさんを威嚇しているアイリス嬢の頭に手を乗せて


「そんな可愛らしいお嬢さんを虐めたらダメだよ」


 たしなめた。


 アイリス嬢は尻尾をブンブン振る子犬のような顔で俺の顔を見てきた。


 はい。はい。頭を撫で撫でしてあげる。


 俺たちを見ていたシェーハさんの目がなぜか眩しそうな目つきになっている。


 ん? シェーハさんの顔がエーメラルダ嬢の頭でさえぎられた。


「シェーハ。貴方は光公子様に失礼過ぎます。今後は気をつけくださいまし」


 ちょっときつめな注意だ。


 俺はエーメラルダ嬢の肩に手を置いて


「エーメラルダ嬢。まぁまぁ。そんなの気にしてないから。俺の身分なんて天津神様からしたら大したことないんだろうから」


 エーメラルダ嬢は彼女の肩に乗せた俺の手を両手で包み込むよつに掴むと、くるりと振り向いた。


「光公子様。最初が感心です。この天界は光公子様がお譲りになられたのです。

 今では光公子様がここの主人なのですからビシッと知らしめないと」


「え? それは本当ですか? ゼリューシュ様が天界を?」


 シェーハさんが驚いて叫んだ。


「シェーハさん。そんなに驚かないでよ。僕はここの支配権なんて主張する気なんて全く無いんだから」


 俺はエーメラルダ嬢を少し横に退いてもらいながら言った。


「本当ですか?」


 シェーハさんが少し安心したように言った。


「ほんと。ほんと」


 俺は安心させるように言った。



 天界を見て回るのは広いだけに大変だった。


 天界の十神はアルテミス様も含めて今後のことを話合うため会議室にそのまま残った。


 俺が訪れたのが急だったし、国譲りならぬ天界を譲るなどと良く理解できない発言もあった。


 驚くことにモーフも残って天津神様達の話し合いに参加するらしい。ガイアとしての仕事だそうで好きにすれば良い。


 俺たちは退屈なので天界の案内を頼んだらシェーハさんを始めたくさんの神様が案内してくれることになったのだ。


 シェーハさんは十神に継ぐ八十八人の力ある女神の一人だそうだ。


 シェーハさん以外にフローラさん、デュケーさん、ブリュンヒルデさん、ヴェルダディさんなどの位の高い女神のほか神兵や少し下級の女神様達がたくさん護衛してくれている。


 シェーハさんは薬の女神、フローラさんは美香の女神、ブリュンヒルデさんは戦の女神、ヴェルダンディは運命の女神だそうだ。


 俺達の方はいつもの嫁候補と従者の18人だ。今回はメーラシア、アリーシア両女王、リリューシュ龍帝とスーザリアン龍王などの王族の嫁候補も参加している。


 もう離れないだそうだ。なんか怖いんだけど?


 ちなみに誰を嫁にするか未だ決めかねている。もちろん誰かに手を出すことなどとてもできていない。


 女王様が国を離れてていいの? って聞いたらどの口がとか言われた。何を言ってるのとか思いながら、俺はどこの国の王様でもないのに何言ってるの? て皆に言ったらリビエラ嬢他の嫁候補が視線を避けた。俺って強くないよねと聞いた時と同じ反応だ。


 なんか皆の反応が不自然だし、よく分からない。


 うーん。いくら考えても理解できない。


 だって俺は皆から光公子と呼ばれている。単なるラッシート王国の公爵の息子でしかない。


(レリトニールは自分をモブと信じて過小評価するのが癖です。顔も前世の時の顔を自分の顔だと思っています。鏡を見ても前世の顔がなぜか被って見えてしまうのです。目の錯覚です)


 公子の前の光なんていつごろからそう呼ばれるようになったか覚えてないけど、それはオマケだし、ただの公子でしかない。


 実にちっぽけな存在だ。


 皆は何を誤解しているのだろう?


(勘違しているのはレリトニールの方です。彼が傘下に置く国は、①ラッシート王国②ディーガ王国③リールセラート元王国④ケーセシャリー帝国⑤六大塔同盟⑥セミーツ王国の6ヶ国です。

 ちなみにセミーツ王国の場合、国津神による制裁によってもたらされた大洪水の後、リールセラートから支援が行われました。それを受けてセミーツ王国は正式にレリトニールの傘下に入ることになりました。

 全てレリトニールの指示で行われた支援ですしセミーツが傘下に降ると正式に申し出ているのを裁可したのも彼です。

 獣王国もほとんど傘下に入ったようなものだし、六大塔同盟の傘下にあったミルセミーアン王国なども実質的に傘下みたいなものです。

 レリトニールを中心に結合した不思議な連合国なのです。なのでレリトニールは世界最大の連合国の国王のような立場なのです。

 ちなみに光公子の呼び名は嫁候補の好みでそのまま彼女達が呼んでいるだけです。

 レリトニール本人も、いつも光公子と呼ばれていると自己紹介していてますよね。

 また、嫁候補と言うのもレリトニールだけが勘違いしているだけで全員が既に公に嫁認定されています。

 なお全てレリトニールはこれらのことを正式に承諾していますが、本人だけその全ての承諾を冗談のつもりで言っていたりします。そして今も冗談で天界を手に入れようとしています)

後書きの方に最後の解説を入れようかとも思ったのですが、本編に入れることにしました。長い解説すみません。

ギャグをより面白くするために多少背景を説明しておきました。

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