026 女神様なの?
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《獣人の少女、ミーチャの視点》
何が起こったの?
突然、背中に衝撃が走り気付いた時には、馬車の前に飛び出していた。
背中に受けた衝撃もただ事でなかったし、何よりも迫り来る何頭もの馬が恐ろしかった。
ワタシが飛び出したことに驚いたのは、お馬さんも同じだったらしい。とても大きなお馬さんが驚いて大きな声でいなないた。その声すら恐ろしかった。
凄い勢いで走ってきたはずの馬車は、なぜか急に速度を落としたように感じた。その時、馬車から大きな音がして、次の瞬間ワタシの身体を誰かが持ち上げていた。
見ると、見たこともない綺麗な顔の人が優しい笑顔で、ワタシを抱き上げていた。
「お嬢ちゃん。大丈夫かい?」
その人が尋ねた。
「なんて綺麗な人。女神様?」
思わずワタシは質問した。
ワタシが辺な聞き方をしたせいか、その人は首を傾げて困った顔になった。
「ん? 女神様? 誰のこと?」
どうやらこの人は女神様ではないらしい。そう言えば男の人の声だ。
こんなに綺麗なのに男の人だったことにまたまた驚きだ。
後ろを振り返って何か指示している。あ。男の人の後に立っている女の人たちも皆とても綺麗な人ばっかり。一番前の女の人は、耳が尖っている。ワタシ、知っているわ。エルフよね!
その興奮よりもなんだか背中が痛くて頭がくらくらしてきた。
あ。また別の綺麗な人が美しい音色で歌い始めた。あ。綺麗。光がたくさん。身体が暖かくなった。
ふと気付くと先程、激しく打ち付けたために酷くズキズキしていた背中が嘘のように楽になり、息が普通にできるようになった。ぼんやりしていた頭がスッキリした。
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