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262 子供をあやすように答えてくれた 納得いかんわ

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《レリトニール公子視点》


 モーフが戻ってくると、あれよあれよと言う間に、大勢の神々が俺達の前に集まってきた。


 アイリス嬢が俺を守る為に神々との間に入ってくれたので俺はとても安心だった。


 アイリス嬢は俺の護衛役なのだと改めてありがたさに頭が下がる思いだ。彼女はモブな俺なんか足元にも及ばないレベル3000超えの超剣士なのでなんとも頼もしい限りである。


 あれ? 白いドレスのサラスバティー様がすごい勢いで俺の方に飛んできた。


「待て!」


 あ、アイリス嬢が一喝するとサラスバティー様だけでなくラクシュミー様や恐らくシヴァ神と思われる男神なども含むインダスの神々も俺達の前で土下座してしまった。


 さすが、アイリス嬢の超剣士の剣気は只事では無いようだ。


「ラクシュミー、サラスバティーよ。お前たちが言っていた光公子様とはこちらの方か?」


 インダスの主神シヴァ神と思われる男神がアイリスを見つつ二人に尋ねた。


「いいえ。この女神はアイリス様。光公子様の眷属ですわ。なんとわたくしは愚かだったのか、これほどの神を弑し奉ろうなどと、、、あの時は全く本気では無かったのですね、、、」


 ラクシュミーが小さくなって答えていた。


「何と、これほどの荒ぶる神を従わせておられる神なのか、ん? そこにいるのはアスラ大神ではないか?」


 シヴァ神が俺の後ろに控えていたアスラ様を見つけて声を掛けてきた。


 アスラ様は、俺に頭を下げた。


「光公子様。剣聖天アイリス様。少し前に出てもよろしいでしょうか?」


 少女のような可愛らしい顔をしているが実際には彼こそ荒ぶる神、阿修羅王なのだ。何をそんなに遠慮しているのか不明だ。


「何を言っているのです? アスラ様のお好きなように」


 俺が答えると、アスラ様は更に頭を深々と下げた。


「ありがとうございます。ではアイリス様もすみません」


 アスラ様はアイリス嬢にも頭を挨拶をしてから俺達の前に出て行った。


「シヴァ神よ。ラクシュミー、サラスバティー、そしてインダスの神々よ。私は貴方達インダスの系譜から外れ、こちらに居られる光公子様の傘下に入ったからそのつもりでいるのだ。

 そしてシヴァ神よ。光公子様はこちらのお方だ。訳あって目立たぬように気配を薄くされて居られるのだ。もう少し気をつけて応対するのだ。

 シヴァ神よ。よく見よ、モーフ様が肩に乗られているのだから良く考えればどなたが新たなる大神御神(おおみわみかみ)様なのか分かると言うものだ。お主のその先程からの光公子様を無視するような態度はさすがに同郷の者として看過できんぞ」


 アスラ様がよく分からない事を叫ばれた。


「アスラ様は何言ってんの?」


 俺は肩の上のモーフに尋ねた。


「まぁ、お主は深く考えんでも良いのじゃし。お主がこの話に出しゃばるとややこしくなるのじゃし」


 モーフはガイアと合体して生意気になっていた。なんか遠いところを見るような生暖かい目で俺を見てからそんな風に答えた。


 俺は納得がいかず後ろを振り向いてリビエラ嬢達を見た。


 何言ってんの?


 でもいつもは俺が見たら見えない尻尾を全力でブンブン降っている子犬のように俺を見つめ返してくれるはずのエーメラルダ嬢達が何故か視線を外している。


 これは俺が何かダメな言行を取った時に皆がする『視線を避ける』だとさすがの俺も気付いた。


「アイリス嬢。なんか言って? アスラ様の言葉の意味が分からないんだけど?」


 アイリス嬢の耳元でコソコソと呟くと。


「光公子様はそれほど素晴らしい人って意味ですよ」


 アイリス嬢が三歳の子供をあやすように答えた。


 アイリス嬢までそう言うなら仕方なしと俺は黙るしかなった。


 納得いかんわ

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