255 修行2日目
本日、二話目です。
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《アイリスの視点》
1000倍強くする。それは比喩だと勘違いしていたが本当に1000倍強かった。
光公子様曰く
「レベルが5つ上がるとトータルで倍の強さになるんだけど皆、知ってた?」
だそうだ。そして
「レベルが10上がると倍の倍だから4倍強くなるんだよ。レベル15上がると8倍の強さだよ。つまり158レベルが上がると大体1000倍の強さになるんだよ」
平方根がどうだとか訳の分からないことを仰られるのはいつものことだ。
しかしわたくしはそのボスを一目見て確かに千倍強いことが分かった。
光公子様のように難しい数学という方法は良く分からないが、わたくしは直感で分かる。
めちゃ硬かったが更に硬くなり魔法も全然効かなくなった。最初ボスの絶対防御のスキルとかが可愛いスキルだったと分かる。
「アイリス嬢。時空そのものを切るってできる?」
光公子様がそんなめちゃくちゃなことを目をキラキラさせながら言ってきた。
「次元切りってなんかロマンあるよねぇ」
光公子様は恋する乙女のような感じでうわごとのようにそんなことを言う。
次元切りがどんなものかるく説明してくれるのだが本当に最初から最後まで理解できなかった。
一番分かりやすかったのは実際に実演してくださった斬撃だ。
空間魔法と重力魔法を合成して次元をずらしているとのことだがなんのことだか。
わたくしは光公子様の斬撃を目に焼き付けてから光公子様の斬撃に少しでも近づけるように努力するだけだ。
周回の速度は明らかに初日よりも遅くなり光公子様が効率と仰っておられた意味がここにきて良く分かる。
同じボスだからこそわたくしたちよりもずっと強いボスを瞬殺できレベル上げの効率が良かったのだ。
しかし、光公子様は昨日よりも生き生きされている。なんか天国にでもいるかのようだ。
二人で修行したあの日々を懐かしく思いだした。苦しいがわたくしも楽しいと感じることができた。
1000倍強い敵など倒せるはずもないと最初は思ったが何故か倒せる。
もちろん光公子様のバフなどの魔法があってのこと。
しかも、光公子様伝授の次元切りがそろそろ完成しそうだ。
カッチカッチの敵をいかなるデバフもバフも用いずにわたくしの斬撃だけで切る。
「なんで心眼を閉じるの? 切る時にずっと心眼で見ていたらどこを切ったらいいか見えるよ」
光公子様のそのアドバイスがわたくしの斬撃を更なる高みに上げてくださった。
先読みの心眼はどこを切るかを知るための攻撃に転用できるのだ。
光公子様は心眼をお持ちではないらしい。とても羨ましいと仰っているが神眼があるのだから不要だろう。
笑って心眼と次元切りモドキを使って敵を切り刻んでいたら『神眼』『次元斬撃』のスキルを獲得することができた。
「凄い。アイリス嬢。やっぱり剣の天才だね」
手放しで喜んでくれる光公子様。
全て光公子様が教えてくださった技なのに、どうしてそんなに評価してくださるのですか?
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