253 阿修羅王はかく語りき
本日オマケの話です。短くてすみません。
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《アスラの視点》
娘を天帝に取られて苦悶の日々を送っていた時、四神から招待状と言うのか、戦争の発起状と言うのか、そんな物が送られてきた。
興味半分で四神に招聘された森に向かっていたら不思議な気配を察知した。
これは戦いに明け暮れたわたしの独特のスキルと言っても良いだろう。
近づいていくとそこにガイアの幼体がいた。見た目は可愛いが実際はこの世界の創造神である。
別の世界からやってきた天津神に世界を任せてさっさと眠りに入ってしまったが、龍の住むどこかの山奥に一部を実体化させていたはずだが最近その気配が消えたので幼生化したとの噂だった。
別の世界の神に世界を売り渡したと、とかく評判の悪い神であるが、争いを避けて世代交代をしたのであるならそれは評価に値するとわたしは思っていた。
しかし、ガイア様の幼体の姿を見て考えが変わった。真白い姿は、前の真黒いガイア様を否定されているのだろう。元々の眷属たる我ら国津神は見捨てられたのだと悟った。
幼体のガイアを喰らうと力を得るとも聞いていたので、新たな力を得られれば天帝どもをねじ伏せて可哀想な娘シャチーを救うこともできるかもと攻撃した。
わたしの本気の攻撃が跳ね返されて驚いた。しかもそんな事のできる存在にわたしのすぐ側にいながら気付きもしなかったのだ。
気配を隠していたのか?
その方は新たな神だった。そうとしか言えぬであろう。
なんとガイア様の名付け親と言う。そんな事ができるのか。いやできるはずもない。
その神、光公子様はわたしがシャチーの事で天帝と揉めている事まで知っていた。
ふと思った。光公子様に付いていこうと。これは単なる気まぐれだ。
天帝との諍いも飽き飽きしていた。娘は無事らしいと光公子様の態度で察したし、娘と直接話してみるようにとの温かい言葉までくださった。
娘を取られ苦悶し、戦い続けた数えきれない年月を浄化させることができる希望の光。まさに光の公子様だと思った。
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