248 紅色の女神の憂鬱
すみません。一つ掲載していませんでした。一つ前後しています。主筋では有りませんが少し雰囲気が変わる内容かとも思います。
不注意でご迷惑をおかけします。
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《ラクシュミーの視点》
光公子様の威圧にはわたくしは心底身も凍る心地となった。
アスラ大神はどのような理由かは不明だが天帝と戦い続ける狂人だ。
狂人であるが力は本物だ。阿修羅宮には夥しい鬼神軍を抱えており、シヴァ様は一目も二目も置かれている存在である。
彼を手駒にできればとどの神も思いは同じはずだ。
最初は、そんな注目の神がこんなところにいるのに驚いた。それほどに四神の呼び掛けが時流に適った物だったと言うことだ。
アスラ大神は超イケメンの癖に戦争ばかりしている脳筋男だと思っていたからアスラ大神から誘われると言う天地がひっくり返ったかのような出来事にわたくしもサラスバティー様も驚きを隠せ無かった。
だからそこ興味津々でわたくし達は光公子様に対峙したわ。
幼生とは言えガイアを飼い慣らしているのにも驚愕したが連れている眷属達にも驚かせられた。
その剣士の潜在力にわたくしの直感が警戒音を鳴り響かせたの。
ここはこの剣士を挑発してでも潰して置こうと判断したがそれが誤りだったわ。
わたくしがその娘剣士の頭を砕こうとしたその時にそれは起こった。
一瞬で意識が飛び、立っていられなくなった。
両膝を付くなどと言う屈辱はたとえシヴァ様の御前ですら見せたことは無い失態なのに意識が飛んで気付けば膝を付いていたわ。
悔しかったのはアスラ大神がギリギリ膝を付いて無かったことよ。
彼奴はこうなることを知っていたのね。
光公子様は実力を隠して自分をなんでも無い物のように装う恐ろしい存在だった。そんな光公子様を怒らせてしまったらしい。
わたくしが潰すと直感で判断したこの剣士は、そんな存在を本気で怒らせてしまうそれほどに価値があると言うことでもあるわね。
とは言え、触れてはならい逆鱗に触れてしまったらしいわたくしは、恐ろしくて震えてが止まらなかった。一瞬で消されると覚悟した。
幸い光公子様の怒りはそれほどでは無かったようでわたくしは命拾いをした。
直ぐに光公子様のお名前がレリトニールでヒューマンであると知った。その後直ぐに光公子様と呼ぶこととなった。
驚愕したのは光公子様の眷属にはその剣士だけでは無い別の眷属がいたのた。誰も彼も恐ろしい潜在能力を持つ者ばかりだった。
その中の一人が光公子様に聞こえないようにわたくしの耳元で忠告してきたのだ。
『もし主神ゼリューシュ様が降臨されてガイア様を手懐けようとされたとしてあのように懐くとお思いますか?
ではどこの神がそれを為せるのかお教えくださいますか?』
質問の形を取った分かりやすい脅し文句だった。
悔しいがこのリビエラと言う娘の言う通りだと思った。
わたくしはこの小娘のたった一言により考えを全く変えてしまったのだ。
わたくしは光公子様に対しては好奇心と言う不確かな感情しか持っていなかった。
それが小娘の一言で絶対服従しなければならない相手だと悟らせられたのだ。
そんな吹っ切れた判断にいきなり変わるなんてあり得ない。
この小娘の一言が魅了の魔法よりも確かな力を持つことを目の当たりにさせられた気分だった。
しかしこのリビエラと言う小娘が只者でないと思ったわたくしの直感は直ぐに証明された。
サラスバティーと更にはアスラにもわたくしと同じように耳打ちをし、同じ内容の耳打ちをしたのかどうかは疑わしいが少なくとも二人ともにわたくしと同じような心境の変化に至ったのは二人の態度を見ていて肌で分かった。
とんでもない存在の側にはとんでもない鬼才が存在していたってことだ。
たった一言で神々を操る鬼才だ。
もちろんとんでもない光公子様と言う存在あっての鬼才だが、それでもそんな鬼才が光公子様の眷属であると言う事がそもそも恐ろしいのだ。
引き攣りそうになる頬を緩めようと頬の筋肉と格闘しながらため息が出そうになるのをわたくしは必死で堪えていた。
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