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240 なるほど分かりました。え? 何がわかったの?

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《レリトニール公子視点》


「モーフ。アスラ大神だっけ? あの神様、あっちの神様達の方じゃ無くこっちに来てない?」


 俺が尋ねると、なぜかモーフは、俺の背後に隠れた。


 モーフが怖がってるよ。俺の可愛いモーフを怖がらせるなんて不テェ野郎だ。


 しかしビッグネームって言われるほどだからあの狼の眷属達のように弱い神様ではないだろう。


 少し心配だ。


 どんどんこっちに近づいて来ている。


 あれ?


「どうしてみんな俺の後に隠れるの?」


 賢聖天リビエラ嬢に尋ねた。


「それは光公子様ですから」


 なんか訳の分からないことを言っている。か弱い女性ならそう言う態度も分かるけどこの娘達は、俺よりもずっと強いのだが?


 なんかこの娘達は俺が強いって勘違いしてるんだよね。ただのモブなのに強い訳がない。なぜかアルテミス神様が贔屓にしてくれて大聖天なんて称号をくれたからだろう。これはオマケ。皆には賢とか剣とか拳とかなんか良く分からない断なんてのもあったけど、専門分野があるんだよね。


 俺のはオマケみたいに大を付けてくれたけどもちろん皆とは全然違う称号だと思う。


 例えば大聖女のリリーアージュは、別に水聖天でもある。つまり水の専門家だ。


 それに比べて俺は聖人が無くなった代わりに大聖天となった。大って何? 断でも斬でも良かったのに。


 更に俺はステータスは上がってもレベルはちっとも上がらない。レベル上昇時のあの気持ち良いステータス値の上がり方ができないのた。


 他の皆と比べて絶対にかなりのステータス値の開きがあるはずだ。


 ちなみにレベルを千を超えた皆のステータスを覗いて見たい気がするが、そんなことはタブーだし覗き見の趣味などは無い。


 地位を使って言わせるなんて最低だから絶対に聞くこともしない。とは言え皆から教えてくれても良いのにとか思うこともある。


 でも聞くのが怖くもある。


 どっちにしろどんなに彼女達が強くても俺が前に出て戦うのがこのメンバーの普段の姿だからね。


 それにこの子達は俺の嫁さん候補だから俺が守るのが筋だよね。


 修行の時だけ前に出て強敵が来たら後ろに下がるのもまた違う気がするしね。


 アスラ大神は、スルスルと俺たちのところまで飛んでくると、俺たちの前に降り立った。


 なんて身長なの? 


 アスラ大神はびっくりするほどの巨人だった。


 あれ? 縮んでる?


 瞬く間に俺たちと同じような身長に変身した。


 ほへーー。


 巨人、あ巨神か、とても大きかったから顔が見えなかったのだが、小さくなって御尊顔を拝見して改めてこのアスラ大神が女の子のように綺麗な神様なのだと驚いた。


 奈良の興福寺の阿修羅像を彷彿とさせるような美形さんだった。


 さすが大神様だ。


「やぁ、そこにおられるのはガイア様では有りませんか?」


 アスラ大神は、俺の背中を覗き込むようにしてモーフに話しかけた。


「いや我はモーフじゃし。ガイアなんて言う者じゃ無いぞ」


 モーフは、ジタバタと空中を浮いてアスラ大神の前まで行くとふんぞり返って偉そうに言った。


 おい! 怖くて隠れてたんじゃ?


 アスラ大神は、そんなモーフを眺めて嬉しそうに話しかけた。


「ほう。名前を変えた? それで白くなられたのですね。なんだか可愛さが増しましたね」


「そうじゃろう。そうじゃろう」


 褒められると少し高くを漂いだす単純なモーフだ。


「だがしかし白は頂けませぬ。天にでも昇るお積もりか?」


 急にアスラ大神の雰囲気が変わって、非難するように訊いてきた。


 顔も厳しい顔に変わっていた。なんか怖い。


 そして次の瞬間、物凄い勢いでモーフに抜き手をはなってきたではないか。


 モーフは何も気付いておらずおっとりと宙に浮いている。


 俺はモーフをむんずと掴むと引っ張り寄せた。するとさすがの大神様だ。アスラ大神の抜き手は方向を変えて俺の腕の中のモーフを追ってくるではないか。


 仕方なく俺はアスラ大神の手を掴み取った。


 一瞬、何をされたのか気付かなかったと言うような視線をアスラ大神は俺に向けた。


 表情も穏やかなものに戻っている。


「あなた、誰です? 新しい神様ですか? しかし手加減していたとは言え、ワタシの攻撃を掴み取ったことは褒めてあげましょう」


 俺は慌ててアスラ大神の手を離すと謝った。


「あ、すみません。でも手荒な真似はやめてください」


 アスラ大神は、俺の頭の先からつま先までゆっくりと視線を走らせて俺をじっくりと観察した。


「あなたは、天津神と言う訳でも無いのですね。確かユーリプスと言いましたっけ?

 あの者は、ヒューマンから天津神になったのですよね。でもあなたはそんな感じでも無いのですね。

 あなたはガイア様、いやモーフ様でしたっけ? の庇護者ですか?」


 庇護者? なんか分からない。でも間違いではないかな。


「まぁ、名付け親だから庇護者で間違いないかな」


 俺の説明にアスラ大神は、目を大きく見開いて驚いた。


「なんと、あなたはこの世界そのものであるガイア様に名付けを。なるほど。それな方法が。それには思い浮かびもしませんでした。感心しましたよ。

 でもガイア様を名付けるとすると、、、、、、

 あなたのお名前をお聞きしても?」


 途中、魔力量がどうとか神格がどうのとか良く分からない独り言を散々言ってから、そんな質問をしてきた。


「僕はレリトニール・テンシラーオン・リールセラートだよ。

 長ったらしい名前だから光公子って皆は呼んでるよ」


「なるほど。なるほど。

 では光公子様。宜しければ貴方の実力を測らせて頂いても?」


「いやいや。俺なんか全然全く強くないよ。実力なんて測る必要無いよ」


「大丈夫です。先程の抜き手よりも少しだけ早く攻撃するだけですし、魔法攻撃は致しませんから」


 アスラ大神は何を考えているかは分からない。でもいきなり襲われることを考えると随分と紳士的と言わないといけないだろう。


「なんか、期待はずれだと思うけど。さっきの抜き手を少しだけ早くする程度なら大丈夫だけど、何百倍とか早くしたら全然対処できないと思うよ」


 俺がそう言うとアスラ大神は少し目を見開いた。


「ふふふ。何百倍ですか。あなたを試すのは随分と大変そうだ」


 アスラ大神は嬉しそうに言った。なんかやっちまった?


「何百倍なんてとても無理だからね。さっきの抜き手の少しだけ早いのでお願いします」


 俺は頭を下げてお願いした。


「なんと、ガイア様の名付け親殿は信じられないくらいに謙虚なのですね。普通、ワタシの攻撃を凌ぐような者は自信に溢れてもっと尊大な態度でいるものですよ」


 「いやいや。アスラ大神様は勘違いをされているのです。僕の実力なんて(あやかし)以下ですから」


「あ。なるほど。あなた様は能力を隠されておられるのですね。

 いっそ周りの方々の方が強く感じられるほどです。モーフ様が幼体でなければ見逃してしまうところでした。ふふふ」


 ああ、もう完全に勘違いしてる。どうして俺の周りはこんなに勘違いする者が多いんだろう。


 俺が強く感じられないのには理由がある。それがあんまりな理由だから俺は敢えて誰にも説明していなかったが、俺はモブなのだ。目立たないんだよ!


 ちょっと悲しい。


 そんなことを思っているといきなりの攻撃だった。


 あ、さっきの抜き手の何倍もの速さの攻撃だ。


 俺はそれを受け流した。


 そしてどんどん攻撃は速さと威力を増していく。


 ええ? ちょっとだけ早くってお願いしたよね?


 でも恐らくアスラ大神は、相当手加減してくれているのだろう。


 対処できない程ではない。


 数分、アスラ大神の攻撃を受けていると


「なるほど。よく分かりました。ガイア様があなたの庇護を受けたのも頷けます」


 はい? こんなんで何をどう納得したのか? よくわらない。


 あんな手加減をした攻撃如きで何が分かるの言うのだろうか?


 俺は恐らく顔がクエスチョンマークになっているに違いない。

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