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225 修行しばく?

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《レリトニール公子視点》



 なんやかや


 で、どうやら戦争に勝ったらしい。


 六大塔同盟は敗退した。


 うちの軍団は、大した被害は出ていなかった。めでたし。めでたし。


「しかし、リビエラ嬢。ここは龍の国なのに龍は? そう言えば守護龍ゴーダガルーズってどうしたん?」


「ああ。それはにわたくしから」


 そう言って龍王スーザリアンが話に割って入った。


「我が父上、守護龍ゴーダガルーズは、最初の戦闘で負傷して龍の里で療養している。

 頃合いを見計らって里に迎えを送るつもりだったのだが急展開だったので」


 龍王スーザリアンはすまなそうにそう答えた。


「龍王。なんなら転移で行く?」


 俺が聞くと


「それは願ってもない。龍帝リリーシュ陛下もご一緒に行かれますか?」


 龍王スーザリアンが龍帝リリーシュに尋ねた。


「はい。お願いします。それよりも、今回戦争にて大勢の同胞の命が危ういとき、光公子様のお陰で一体な何人の生命が救われたことか。

 どれほど感謝してもし尽くせません。ありがとうございました」


 ほとんど土下座しかねない勢いで龍帝リリーシュは俺の前に跪くと俺の手を取って頭に頂いた。


 しゃがんでいる彼女の妖艶な姿が眩しい。


 俺は彼女の手を取って立ち上がらせた。


「今更何を言ってんだよ。もう俺の仲間なんだから助けるに決まってんでしょ」


 俺がそう言うと龍帝は涙ぐみながら嬉しそうに俺にしがみ付いてきた。龍王スーザリアンも一緒になって俺に抱きついてきた。彼女の目も嬉し涙で濡れていた。





「さようか。不甲斐ない我ら龍種がのうのうと傷を癒しているうちにそのようなことが。

 光公子様には言葉で尽くせぬ恩を受けました。深く御礼申し上げます」


 守護龍ゴーダガルーズが深々と頭を下げて言った。


 巨大な龍種が俺の足元に頭を下げている姿はなんともシュールだった。


「ゴーダガルーズ殿。頭を上げてくれ」


 俺が慌てて言う。


「いや。我はもはやケーセシャリー帝国の守護龍としての地位を返上いたそう。

 龍帝陛下よりあなた様は盟主とされると聞いた。我もその沙汰に従い龍種一同、あなた様の配下となると誓う」


 知らない間に俺は盟主と言うことになってしまった。





「光公子様。六大塔同盟から降伏し傘下に降るとの知らせが入っております」


 賢聖天リビエラ嬢がある日、そう伝えてきた。


 戦後処理も忙しい時に面倒なことだ。


 ちなみに、俺はモーフをモフモフするのに忙しいのに。


 見るとリビエラ嬢は、使者らしい者を連れているようだ。


「そちらの者は?」


 俺がそう聞くと


「六大塔同盟の使者の者達です。

 左から悪魔族のエバス殿。古代ドワーフ族のリキュー殿。ハイダークエルフ族のシャーダン殿。古代巨人族のバイナーク殿。古代人の勇者ラムダーズ殿。メデイューサ族のサムサ殿です」


 賢聖天の紹介の後、皆が挨拶をした。


「単刀直入に聞くよ。どうして侵略戦争なんてしたの?」


 俺は尋ねた。


「わたくし悪魔族エバスが代表して答えます。

 我々は、神に至る研究をしており、龍種と龍人のサンプルを欲しておりました。

 近年、ケーセシャリー帝国の国力は衰え、侵略の機会であると考えていたのです」


 この世界はある意味、正直なものだ。前世の世界だったなら自己正当化するような言い訳をするのだろうし、無意味な言葉の応酬を繰り返す事になるのだろうが。


「己たちの欲望により我が同盟の大勢の民が受けた苦難は筆舌に尽くし難い」


 俺がそう言うと、六大塔同盟の使者達は、慌てて平伏した。


 しかし代表の悪魔族エバスは、頭を少し下げただけだった。


「手段を選ばなかったことは、仰せの通りであり、全責任は我らにあります。

 しかし、我ら六大塔同盟には、大勢の学徒がおり、彼らには責任はありませぬ。

 我らの大魔王陛下達は、極刑にあっても仕方ないとの覚悟でありますが、学徒達の助命を願っております」


 意外な申し出であった。


 大魔王達は、傲慢であり、自己中心的ではあるが、卑怯でも臆病でも無かったと言うことだろう。


 神の頂きを目指すような人達なのだ。品性まで下劣である訳では無いのだろう。


 俺はこの時ふと、疑問に思った。


「聞くとあなた達の塔では人体実験をして大勢の命を犠牲にしているそうだ。中には同胞を生贄にまでして神の恩恵を得たとか。

 神になるのはそれほどの価値があるのか、教えて欲しい」


 俺の質問に誰も答えられなかった。


 彼らはほぼ不老長寿であり、神のような力を有していて普通のヒューマンと比べると天の上のような人達だ。これ以上何を望むのだろう?


「光公子様。我らは価値があると考えておりました」


「ならば証明してみせよ。それが叶わぬなら今後、神になるために魔物以外のいかなる命を犠牲にすることを許さない。

 そもそも、レベルを上げる為に主神ゼリューシュ様は魔物と迷宮をお造りなったのだろう。なぜそれを使わない?」


「それはレベル限界になりましたゆえに」


 何を言い出すのだと悪魔族エバスが答えた。


「レベル限界? そんな物は気合いで限界突破すればいいんだよ」


 俺がそう言うと悪魔族エバスは、呆れたような顔をして


「気合いで叶うなどと、、、」


「エバス殿。我らの光公子様は、その不可能を常に現実の物としてきたのですよ」


 賢聖天リビエラ嬢が言った。


「答えは、ここの地下にある。疑うのであれば、僕と地下迷宮に行く?」


 俺がそう言うと、俺の従者達がギョッとして俺を見た。


「なんだよ」


「「「「「「「いえいえ。なんでも有りません」」」」」」」


 なぜか皆が異口同音で答えていた。


「光公子様。そんなお茶でも誘うように仰っても、、、」


 呆れた声で賢聖天リビエラ嬢が言った。

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