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《天の視点》


 第三大魔王ドジャーザスは漆黒の肌を持つダークエルフの王だ。その美しさは比類を見ないと言われていた。


「何と、あのアイアンゴーレムが全てやられたのか?」


 アイアンゴーレムが崩れ去る姿を見て第三大魔王ドジャーザスは唖然としつつ呟いた。


「大魔王様。所詮ドワーフ共の兵器など役に立たなかったって事でしょう。我らには多くの同胞を生贄にしてまで得た暗黒神アオンバオム様の恩恵が有ります。

 恩恵により強化された我らの魔法攻撃の凄まじさを奴らに知らしめてやりましょう」


「うむ。そろそろ射程であろう。まもなく他の軍も魔法攻撃を行うであろう。用意が整い次第、集団魔法を撃つのだ」


「はっ!」


「ん? あれは?」


「敵軍の防御魔法では?」


「なんなのだ? あの巨大な魔法陣は?」


「信じられませんあれほど巨大な魔法陣は見たことが、、、」


「早く攻撃せよ」


 彼らの集団魔法は何十人もの魔導士が一組となり一つの魔法を起動させる。


 準備と時間が必要な攻撃魔法で有り今回のような待ちの状態でなければ放てない魔法でもある。


 それだけに魔法の威力は強大で破壊力も高い。


 そんな魔法が何十発も発動されるのだ。


 恐らく別の塔からも集団魔法の攻撃は放たれるはずだ。


「待ち受ける魔導士軍に突撃するなど馬鹿なんじゃ無いか?」


 まんまと集団攻撃魔法の準備の整った攻撃射程に自ら飛び込んでくるなど馬鹿すぎるのだ。


「戦略も何も無い馬鹿共の攻撃など恐れるに足りぬ」


 第三大魔王ドジャーザスは自身を安心させるように独りごちていた。





「大魔王様。長距離集団魔法攻撃の準備が整いました」


「よし打て!」


 大魔王ドジャーザスの期待を込めた掛け声が放たれると同時に多数の魔法が発動された。


 数十人の魔導士が輪になって魔法を詠唱する。彼らの足元に描かれている魔法陣が輝き、魔法陣の真ん中から魔法が発動され、大きな光の球が飛翔していった。


 その攻撃は全部で六十八発にも及んだ。


 このような大魔法がこれほど多く一度に発動されることは稀だ。


 しかも別の塔からも同じように攻撃魔法が放れていた。


 それら全ては彼らの攻撃と同等のもののはずだ。


 それらが30万人の軍団に向かって飛来していく様は圧巻であった。


 第三の塔だけでなく、各塔の軍団の魔導士達は、魔法攻撃が飛翔してく壮大な光景に向けて大声援を送った。


「やれ! 奴らを焼き◯せ!」


「トカゲと貧弱人共を皆◯ろしにしろ!」


「やれ! やれ!」


「大魔王様、万歳!」


「六大塔同盟、万歳!」


 口々に相手方の破滅を願い、自軍を称賛した。


 飛翔する攻撃魔法が賢聖天リビエラ嬢の魔法障壁に到達した時に、彼らの声援は最大級に盛り上がった。


 彼らの放った攻撃魔法は、魔法障壁に激突して大爆発を起こしたからだ。


 数多の攻撃魔法がほぼ同時に爆発したため大地を揺るがすような衝撃を身体全身に感じさせるような大爆発になった。


 爆炎が30万の軍団を覆った。


「おお! 凄まじいものよ。あれでは奴らもひとたまもなかろう」


 第三大魔王ドジャーザスも感嘆の声を上げた。


 六大塔同盟の軍団の者達も大声援を送った。


 しかし、爆発が落ち着いて様子がはっきりすると彼らの大声援はピタリと止んだ。


 30万の軍団は全くの無傷だったからだ。


 第三大魔王ドジャーザスも、ただただパクパクと口を開いたり閉じたりするだけで何も言葉を発することもできなかった。

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