213 超ハイスペックCPUと駄CPUの大型コンピュータはどちらが優秀か
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《レリトニール公子視点》
なんか勢揃いしたよね。砦では狭いよね。
「リビエラ嬢。砦には皆が入れないよね。いっそ、地下豪を広げて、地下に要塞を作る?」
「はあ。それは妙案かと。六大塔の主力は、暗殺王エーメラルダ嬢の情報によると、相当な数の聖級の戦士やそれに匹敵する新兵器が揃えられているようですから、防御を固める必要は高いと思います」
賢王リビエラスト嬢が答えた。
「そう。ならモーフは土魔法がとても得意だそうだから、僕と一緒に裏の山を要塞化しようか?」
「はい。お願いします」
リビエラ嬢と武聖スギルガ・ヘッジス陸軍大臣、龍聖セカンディアル・ラーダの二人も一緒に頭を下げて願ってきた。
「よし! じゃあ少し頑張るぞ」
俺の掛け声に、どうしてみんな不安そうな顔をしているのかな?
☆
俺は渾身の力を込めて要塞化を頑張った。
なのにみんなどうしてそんな生暖かい目で見てくるのかな?
「公子様。こんなところに地下巨大都市をお作りになって、どうなさるおつもりなのです?」
リビエラ嬢が生暖かい目のまま質問してきた。
「ここは、なかなか良いところだし、大きいことはいいことだろ?」
「でも何事にも限度と言うものが、、、、」
「まぁ、硬いことはいいから、僕の作った要塞を見てみてよ」
☆
《賢王リビエラストの視点》
なんとまたまためちゃくちゃな要塞を作ったものだ。
ここは巨大なイェーテル川が南北に流れる広大で肥沃な平原だが、それを遮るように竜山山脈が聳えている。
その竜山山脈の中を大きくくり抜いて巨大な地下都市が出来上がっていた。
「これは何十万でも暮らせるんじゃ無いですか?」
わたくしは疑問に思って尋ねた。
「設計では百万人は十分養えるようになっているよ」
「百万ですか?」
本当に呆れて物が言えない。百万て。
それだけで大国では有りませんか。
「しかし、不思議ですがここはどうして明るいのです?」
この空間には空があり、太陽が見えているのだ。
「ああ。ここには迷宮で奪ってきたコアを仕込んでいるんだよ」
「はい?」
なんと、この人は迷宮をお作りになったと言うのだろうか。
「ここの地下に迷宮も作ったんだよ」
「はい?」
え? 迷宮まであるの?
「大丈夫だよ。定期的に魔物を狩ればいいんだから」
ため息しかでない。
「本当に迷宮を作ってしまう人なんて伝説の魔法使いアダブカレインぐらいのものですが?」
「そう。嘆きの絶壁は彼の作品なんだよ。アイリス嬢と一緒に攻略したときは驚いたよ」
「そうだったのですか? わたくし達が攻略した時はそんな痕跡は有りませんでしたよね」
あ、目が泳いだ。
公子様は都合の悪い時は直ぐ目が泳ぐのだ。
「公子様?」
「怖いよ。睨まないでよ。僕がアダブカレインの魔導書を持ち出して持ってます。
はい。これ」
公子様がたくさんの魔導書を取り出して見せてくれた。
「何冊あるんです?」
「これでも一部なんだよ。よく集めたもんだね。
僕はこんな歴史を感じさせる本が大好きだからね。
ええっと、あ。丁度百万冊だね」
「また百万ですか?」
「あ、そうだ。ここに魔導図書館でも作ろうか。他にも魔導書をたくさん持っているし」
「そうなのですか。公子様は本がお好きですものね」
公子様は時間があれば本を読んでらっしゃるのをお目にする。
「公子様は何冊くらい読んだのですか?」
「持っている本は全部読んでるよ」
なるほど、ではさっきの百万冊も読んだと言うことだ。
「何冊ぐらいお持ちなのですか?」
「え? 数えたことはないけど、ストレージに入れてあるものは数も分かるんだよ。
えーと、ああ五百万冊だね」
「はい? 今度は五百万ですか?」
「あゝ、正確な数字も分かるけど必要ある?」
「いいえ、大丈夫です。そんなにたくさんの書物をどのようにして?」
本は一冊金貨何枚もする貴重品だ。簡単に手に入るものでもない。
「あゝ。始商王がくれたんだよ」
あっけらかんと答えるのが公子様だ。
恐らく大公爵家からお金が支払われているはずだ。
「サスティナ嬢。これだけの本を集めるのは大変だったんじゃ?」
わたくしは集めるのが大変だったろうと質問した。
「はい。ですが公子様は全部の本の中身を全て暗記されていますから、1ページ目を見たら持っている本がどうか的確にお分かりになるので商会で手に入った書物は一度、公子様に見て頂きます。
公子様が読まれたことが無ければそのままお渡しするって感じです」
衝撃の事実だ。公子様はこの六百万冊に及ぶ全ての本を記憶しているらしい。
「え? そんな大した事じゃないんだよ。スキルなんだろうね。ステータスのログ機能みたいに一度読んだ本の内容が書き込まれるんだよね。
記憶している訳じゃないよ」
(レリトニール公子のステータスは異常です。知力もめちゃくちゃ高いのです。
彼はステータスの機能だとか、賢王リビエラ嬢の助けがあるからとか勘違いしていますが、実際には本当に覚えているだけです。
時々、頭の良さそうなことを言う時もありますが同じ理由です)
わたくしも賢王の職業補正のおかげで相当に記憶力が良い。が、それでも公子様と比べるべくもないようだ。
(リビエラストは本物の天才です。レリトニール公子のステータスが桁外れなだけです。
つまり性能の良い超ハイスペックコンピュータがリビエラ嬢で、性能はそこそこのCPUをたくさん並列処理させている大型コンピュータがレリトニール公子と言えばいいでしょう)
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