198 なに? 五百人もだと、これで六大塔の覇権は思うままだ。うはははは!
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「ようやく完成しました。
私に研究の自由、素材、時間を与えてくださった。良いものが出来上がるのは当然です」
「口の悪い博士がそれほど言うなら大したものができあがったのだろうな」
「もちろんです。聖級の実力は保証しましょう」
「なに? 聖級の魔法生物か? しかし素材はどうなのだ? それなりの人材を使うのでは効果は期待できないが?」
「あははは。さすが大魔王様。何もかも見通しですね。大丈夫です。たくさんの犠牲はありましたが完璧に完成しましたから。
こいつを作るまでの過程では貴重な聖級を何人か犠牲にしましたが、こいつを作るにはそれほどの素材は不要です。
何よりもこいつと同じ製品は五百ほど用意済みです」
「何? 五百だと。それは本当か? だが逆に制御できるのか?」
「本当ですし、制御も完璧です。それほど驚かれる大魔王様も珍しいですな」
「ああ、驚いているが、これほどの力とあらばどのような制御をしたのか聞かねばなるまいな」
「おお、怖わ。もちろん第一の制御者は大魔王エグゼランス様にしましたとも。
私は第二に設定しております。ただ、大魔王様と私への攻撃はできないように設定させてもらっておりますが」
「ふん。抜け目の無い事だな。大口を叩くだけはある。これで六大塔の覇権は我に」
「まぁ、そううまくいきますかどうか。各塔にも隠し玉はあるのでしょうしね」
「まぁ、そうだな。小手調べは終わった。ケーセシャリー帝国も終わりの日は近いな」
「ああ。あそこには龍の素体があります。さらに強力な製品が作れるでしょう」
「これらを製品と呼ぶ博士の感性にはさすがに悪魔たる余でも思うところがあるがな」
「何を。悪魔族の大魔王様が」
「「ふははは、はははは」」
二人の笑い声がいつまでも響いていた。
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