197 またまたモフモフした
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《レリトニール公子視点》
モフモフのモーフは、元気いっぱいで俺の走りに付いてくる。
「やるなお主」
俺がそう言うと
「何を仰る。これでも我は神なのじゃし。人間の走ることなどに負ける訳がないのじゃ」
そう言うとモーフは、シュと消えた。
あれ?
どこ?
俺はモーフを気配で探知した。
あ、あそこだ。
全速力で走った。
「レリトニール公子様。あなたは何ちゅう速度で走るのじゃ。もはや我の瞬間移動と大差ないのでは?」
「え? モーフ。瞬間移動できるの?」
「もちろんですじゃ。神々になるための前提条件の一つですからな。神様の我はもちろん瞬間移動はできますのじゃ」
「凄い!」
「何を言っておるんじゃ。我ができることは眷属主のご主人様でもできるはずですが」
え?
俺はステータス画面を覗き込んだ。横にモーフがやってきて一緒に覗き込んだ。
「何ちゅうステータスをしておるのじゃ。なるほど我の名付け親になれるはずですじゃ」
「ええ? 名付け親になるのは難しいの?」
「もちろんですじゃ。下級神には到底無理でしょうな」
「え? じゃあなぜ僕に名付け親になって欲しいって言ったの?」
「夢を語っただけですじゃ。まさかレリトニール公子様が名付け親になれる器を持っているなんてさすがの我でも分からんかったのじゃ」
「ふーん。そうなの。じゃあ僕が名付け親になるのは嫌だったの?」
「いや。こうして夢が叶い、あの人も来ぬような山奥から出られるようになったのは夢のようですじゃ。レリトニール公子様には心から感謝しておるのですじゃ」
「そう。よかった」
俺は嬉しくなってモーフを抱きしめるとモフモフした。
本当に可愛い過ぎる。
「モーフ」
「何ですじゃ?」
「せっかく山奥から出れたんだけど、しばらく戦争をしないとダメなんだ。付き合ってくれる?」
「気にすることはないのじゃ。たとえ戦争であろうとあの退屈な山奥に縛られていたことを思うと天国のようなものですのじゃ」
「ありがとう。じゃあ戦争が終わったらモーフが行きたいところに絶対連れて行ってあげるよ」
「そうか、ならどこが良いか考えておくのですじゃ」
「うんうん。モーフ。可愛い過ぎる」
またまたモフモフした。
☆
「わっ。驚いた!」
俺が叫ぶと。
「当然現れた公子様の方がどうして驚いているのですか?」
賢王リビエラ嬢が少し険しい目をして尋ねた。
怖い
「だって初めて瞬間移動したからびっくりしたんだよ」
「瞬間移動ですか?」
さすがの賢王リビエラ嬢は怪訝な表情を隠しもせずに尋ねた。
俺は、さっきまでモーフと走ってたが、モーフから瞬間移動のスキルが使えると聞いて早速試したのだ。
モーフによると知っている場所か、よく知っている人の側なら簡単に瞬間移動ができるとの事でリビエラ嬢の側に転移したのだ。
「熟練したら感知スキルで感知できるところならどこでも瞬間移動できるらしいよ。もうどこにでも行けるよね」
俺が嬉しそうに言うと、リビエラ嬢がモーフを見て。
「モーフも一緒に転移されたのでさか?」
「そうだよ」
「何人くらいなら一緒に転送できそうですか?」
「へ? 何人でもできるけど」
「はあ。何人でもって。具体的に何人までできるんです?」
「ん。千」
「え? 千人もですか?」
「万人かな」
「一万人もですか?」
「いやいや一応だけど千万人ね。こっちの世界にそれより大きな数字が無いし。適当な数字だよ。早い話、上限は無いかな」
「はい?」
お。突然現れて驚かそうとしても全然驚かないリビエラ嬢も、たかがこんなことで驚くんだ。へーー。
「リビエラ嬢。そんなくだらない事で驚かないで、僕が突然現れた時にもっと驚いて欲しかったよ」
「なんかポイントが違う気がしますが、さっきも驚きましたよ」
「ええ? 全然反応しなかったよね。全く動ずる気配も無かったじゃない」
「まぁ、何の前触れもなく突然現れたら驚きます。でも公子様なら何でもありですし少し慣れましたから」
「何だよ。せっかく驚かせようと思ったのに」
「それなりに驚いておりますが?」
「あああ。面白く無い! 次だ。アイリス嬢だな! モーフ行く「待ってください公子様」」
リビエラ嬢に遮られてしまった。
「何? リビエラ嬢」
「剣王アイリス嬢のところに転移されるのですよね」
「そう。驚かせてやるんだ」
「じぁ、わたくしを含めてここの人全部を転移して頂けますか。移動が楽になりますから」
「ええ? みんな龍に乗るのが好きなんじゃないの?」
「違います。まぁ、そう言う方もいらっしゃるかもですが。
公子様
普通は龍の背中に急に飛び乗ったり飛び降りたしはしないものなのですよ。少しは自重してください。
しかも今度は戦場に転移しようとされているのですよね。
ここにせっかく軍があるんですから皆を連れて転移すれば戦争でも優位になると言うものです。分かりますか?」
俺は何も言い返すことなどできずにうんうんと頷くしかなかった。
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