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190 いざ、前線へ!

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《レリトニール公子視点》


「ただいま」


「「「「おかえりなさい」」」」


 俺の元気な挨拶に皆が答えてくれる。


 あれ? 


 なんかみんな俺のこと怖がってない。視線を避けるんだけど。


「リビエラ嬢。なんか言ったんじゃ無いの?」


 俺は賢王リビエラ嬢に尋ねた。


「何も。公子様の日頃のあるがままを普通に話しただけですけど」


 リビエラ嬢は自信たっぷりに答えた。


「でもなんかケーセシャリー帝国の重臣の皆さんが俺のことを怖がっているように感じるんだけど?」


「そんなことはありません。公子様のあるがままに自然な対応をされているように思いますよ」


「え? ほんとう? みんなもそう思う?」


 俺は、鍛治聖エカテリーナ公女と火聖リージィー公女に尋ねた。


「「はい。前よりもとても自然に感じるくらいですわ」」


 なに二人の答え。なんだか練習していたようなシクロな答え方じゃないか。


「どの辺が自然なの? 俺が皆を見ると皆さん頭を下げて視線を合わせようとしないんだけど?」


「そんなの当たり前じゃありませんか。貴人と視線を合わせないのはごく自然なことですし。

 公子様が親しくされすぎなのです。全員跪けばいいのですわ」


 火聖リージィー公女が過激な発言をした瞬間だった。


 部屋にいた全てのケーセシャリー帝国の重臣達が飛び上がるようにして床に平伏してしまった。


「え? なにこれ?」


 俺は皆の行動に目を丸くして呟いた。


「ふふふ。こうですわ。これこそより自然と言うものです」


 なんで、リビエラ嬢、リィージー嬢、エカテリーナ嬢の三人は、嬉しそうにうんうん頷いてるの?


 訳が分かりません。





 俺は事情をよくよく聞いてから

困ったものだと嘆息した。


 リビエラ嬢からして少し異常だ。


 どうして俺が王様みたいな扱いを受けなきゃいけないの?


 俺はただの貴族の小僧なのだ。モブってばれていつテンシラーオン大公家を追い出されるか分からないのだ。


 俺はそれをリビエラ嬢、リージィー嬢、エカテリーナ嬢の三人にこんこんと説明したが、三人は「「「はい。はい」」」って流してしまった。


 困ったものだ。


 確かに昔の大名なんかも大概偉そうにしていたかもだが、これほど恭しくされるのは日本人として耐えられないぞ!


 そうだ。


 さっさと前線へ、出発!


「では行くぞ!」


 俺は出発の号令を出したのだった。


「あれ? 誰も止めないの?」


 誰かが必死で止めて用意がまだですとかなんとか言うのかとか思っていたが、皆黙って俺に付いてくる。


「はい。用意は整っています。ケーセシャリー帝国の軍との話し合いも全部済んでおります。公子様はお好きに暴れていただければと」


 なんと、やはり賢王リビエラ嬢。優秀すぎる。


「じゃあ。走るよ」


「あ。お待ちください。走るのは公子様だけに。我々は騎龍に乗って行きますから。

 では公子様。最前線で」


「あ。待って。最前線って?」


「公子様が気になるところに向かっていただければわたくし達も公子様の気配を追って後で参りますわ」


 ん? なら。あっちの気になる気配のところに行こうか。


「分かった。じゃあ後で」


 皆と別れて俺は走り始めるのだった。


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