表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/312

182 どうして公子様が驚いているの?

ブックマーク。高評価。いいね。よろしくお願いします。

《剣王アイリスの視点》


 やはり、危惧していた通りだ。龍帝様に龍王様。お二人ともとてもお美しいし。公子様に一目お会いしてからは公子様しか見ていらっしゃらないもの。


 誰にでも分かりますわ。公子様以外の方には。あ。大聖女様もお分かりになられないかも。


 賢王リビエラ様もこの成り行きを想定されておられたのか、舌打ちされている。


 最初から公子様は、とてもおモテになると知っていたけど、やっぱり高貴な方々が群がってこられるのね。


 でもお二人ではダメですわ、、、


「せんえつながら、申し上げます。龍帝、龍王両陛下は王級の称号はお持ちですが、実力が伴っておられないと感じます」


 あ。言っちゃった。


 大臣の皆さんが目をつぶってわたくしの言葉を受けた。身体を震わせていらっしゃる方もいるわ。失礼よね。


 大臣さん達は、勢いに乗ってあわよくばとか思っていたのかも。


 賢王リビエラ嬢がグッジョブみたいな感じで頷いてらっしゃる。


「あのぅ。公子様に修行してもらったら良いと。わたくしも頑張る」


 なんと、そう仰ったのは人見知りな大聖女リリアージュ様だった。


 こんな大勢の前なのに発言したのですね。大聖女様。偉い!


 でも、ぐいと賢王リビエラ様が身を乗り出して大聖女様の言葉を遮った。


「大聖女様は、頑張らなくても良いのですよ。それよりもスカートを履いて修行に行かれるのは色々と。

 できましたら、龍帝陛下や龍王陛下のお二人が着てらっしゃるような戦闘服をお召しになられたらいかがでしょうか?」


 必死な雰囲気で賢王リビエラ様が仰った。


 あ。確かに。大聖女様のスカートが捲れるのが大問題だったわよね。


 あれは防がないと見えてしまう。


「スカート好き。みんな隠してくれるベールも大好き。戦闘服恥ずかしい」


 ベールの中に身体ごと入れる勢いで大聖女様は身を小さくして言った。


「リビエラ嬢。リリー嬢も嫌がっているんだからスカートでいいんじゃない?

 似合ってるし」


 あ。また公子様がやらかした。これで大聖女様は絶対にスカートを脱がないわ。


 ボム!


 って爆発音がするほど大聖女様が狼狽えているのが分かる。公子様の不用意な発言だ。


 大聖女様はさらに真っ赤になっているに違いない。


 もう!


「でも、大聖女様。あなた様は世界にたった一人しかいらっしゃらない聖女様なのですよ。しかも大聖女様なんですよ。

 大聖女様がスカート姿で魔族や魔王などと戦っている姿を御国のラリー公国や聖王国レオールの教皇様がお知りになったら、国際問題になりかねませんから。

 どうかスカートではなく、少々暴れても見えないものをお召しになってくださいまし」


 賢王リビエラ様が必死に食いついている。


「でも。公子様が似合うっておしゃったもの。見える? 何が?」


 大聖女様が首を傾げて尋ねた。


 あ。その話をしますか? 賢王様! 大丈夫ですか?


 大聖女様がそれを知ってしまったら大変なことになりませんか?


「いえいえ。なにも見えたりしませんよ。大丈夫です。げふんげふん」


 賢王リビエラ様。咳で誤魔化してます。


 ん? なんだか修行することが決定しているけど?


「うん。修行ができるなら大歓迎だよ。でも誰か残って前線を支えてあげてよ」


 公子様。もう修行に行く気満々だ。


「あのー。修行とは。話が見えないのですが?」


 重臣の一人、龍聖さんが尋ねてきた。


 そうだよね。


「公子様に修行をしていただくと瞬く間にレベルアップします。それは皆さんの想像を絶するものです。

 その試練を潜り抜けた者だけが公子様のおそばにいる資格が貰えると思ってください」


 なんか賢王リビエラ様がうまく纏めてくださった。さすがに説明がお上手だ。


 そう。その通りだわ。あれは公子様のお側にお仕えする者の試練なのだわ。


 しかし賢王様の話があまりにも荒唐無稽だとケーセシャリー帝国の大臣達はとても驚いてザワザワ言い出したわ。


 あれ? どうして公子様まで驚いていらっしゃるのだろう?


 リビエラ様も公子様が驚いているのを見てキョトンとしていますわよ。


 あの試練が絶対に必要なのですよね。公子様。


 でなければ普通の者は公子様に付いて行くことすらできませんよ?

ブックマーク。高評価。いいね。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ