178 ヒェーー
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《レリトニール公子視点》
俺が帝国の首都ヘスタに着くのと騎龍隊が首都に到着するのとほぼ同時だった。
「やあ。一緒になって良かった」
俺が空から飛来した龍の背中に飛び乗って挨拶するとなぜかメリエール騎龍隊長は酷く驚いていた。
「公子様。背中から落ちて大丈夫だったのですか? それよりもどのようにして戻ったんですか? 何よりもあれだけの速度で飛んできた龍にどうやって追いついたのですか?」
「メリエール隊長。公子様の為さることにいちいち反応していたら身が持ちませんよ」
リビエラ嬢がなんか言った。
どう言う意味か全く分からない。俺ように奥ゆかしい純日本人そのものと言っても良い素朴な人を指してそんなことを言われましてもだ。
「公子様。暗殺王エーメラルダ嬢に後を追わせたのですが? 彼女は?」
「ああ。エーメラルダ嬢は、俺に攻撃をしようとした変な奴に付いて行ったよ。
待てよ。ああ、あっちの方角を走ってるよ」
リビエラ嬢は俺の指差す方向を見た。
「あちらは六大塔の方向ですね。暗殺王なら偵察は得意でしょうから何らかの情報を掴んで帰って来るでしょう」
「そうだね」
俺がそう答えると、リビエラ嬢は、強い視線を向けてきた。
怖いからやめて。
「公子様。学術尚書のご息女を一人で派遣するなんて危険ではありませんか?」
「いや。エーメラルダ嬢が自ら行っちゃったんだよ。危ないなら連れ戻そうか?」
「いえ。剣聖ノイツ卿。風聖アドリュー卿のお二人はエーメラルダと一緒に行ってあげて。
いいこと。身体を張ってエーメラルダ嬢を守るのよ」
「「ヒェーー」」
二人がリビエラの剣幕に尻込みしているのを俺は笑って見ていた。
お! リビエラの視線が怖い。
「剣聖ノイツ君。風聖ドリュー君。さぁ、さぁ。飛び降りて追いかけて」
「「そんなことしたら死にますよ!」」
二人が大袈裟に叫ぶので仕方がないので。
「じゃあ二人とも俺に捕まりなよ」
俺はそう言うが早いか二人を担いで再び飛び降りたのだった。敵前逃亡とも言う。
ノイツ君とアドリュー君の叫び声が大きく響いていた。なんかごめん。剣聖と風聖のくせに高所恐怖症なのかな?
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