173 小さく愚かになってしまった。
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《守護龍ゴーダガルーズの視点》
六大魔王と六大塔はセットみたいなものだとずっと思っていたが、心の中で別々の脅威と捉えていたようだ。
まさか共闘してくるとは予想していなかった。
それが今日の敗因だ。
共闘されればひとたまりもないのは明らかであった。
予知能力は完全ではない。
「我ら龍種はみんな小さく愚かになった」
自分の前に跪く龍種達を見て私は呟いた。
予知は完璧ではないが有効な能力だ。いくつも見える未来から最善の道を選択することが可能だ。
龍帝と龍王をリールセラートに送ったのも、馬車で行かせたのも全てタイミングを見計らってのことだ。
二人は立派な称号とは裏腹にあまりにも未熟だ。強い庇護の元に逃すのが一番だ。
リールセラートに強力な何者かが現れるとの予知は随分前からあった。同時に六大魔王の脅威も予知しており、どの未来においても敗北は必然であった。
それゆえにリールセラートの新勢力との同盟を考えたのだ。
ところが六人の大魔王が共闘するとすれば誰が彼等を抑えられるのか甚だ疑問だ。
リールセラートに現れる新星があまりにも鮮烈な予知だったため、六大魔王が共闘することまでは予知できなかった。いやそんな予感はあったのだが、あまりにも荒唐無稽だと信じなかったのかもしれない。
この辺り予知能力が万能でないことを表している。
とは言え、たった一人の大魔王ですら今のケーセシャリー帝国では長く堪えられなかっただろう。
私も年老い愚かに小さくなってしまった。
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