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163 龍帝リリューシュの想い

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《ケーセシャリー帝国女帝リリューシュの視点》


 何よ。この国は城は焼け落ちたり崩れたりしているし、国民も豊かそうじゃないし。こんな国の国主なんて大したことは無いわね。


(彼女の見ているのは、リールセラートの首都です。国主は大した事がなく滅びましたよね)


「スーザ。こんな国の国主がわたくしの伴侶になると?」


「女帝陛下。ここは元々リールセラート王国の首都でしたが、今は別の方が治めておいでだそうです。ここに来るたった20日の間になんと国が無くなってしまったのです。そんなことを誰が予想できたでしょう。

 恐らくこの都が時代遅れに見えるのは前の国主のせいです。守護龍様の予言はそれほど的を外すはずがありませんから今の国主と関係を持つ事をお勧めになったのでは?」


「そう? わたくしの伴侶になれる人がいるとはとても思えないんだけど?」


 わたくしのように美しいだけでなく、ナイスすぎるボディーに、赤龍騎士なんて優れた才能のヒューマンがいるのかしら?


 守護龍ゴーダガルーズ様も気難しい。ここの城主に見習って強くなれとか。わたくしがヒューマンに見習うことがあるはずがない。


「女帝陛下。居城に着いたようです」


「はあ? あれが居城ですって?」


 見るからに古びた砦にしか見えない。でもどうして大きなお城の横にこんな古びた砦が建っているのか不思議。


「さすがに、これは少々小さいですね。国主が変わったと聞いて慌てて調べたところ、ここの領主は大国ラッシートでも一番の名門だと聞いておりましたが」


 スーザまで不安そうにし出した。本当に大丈夫なのだろうか?


 心配になって来た。


「スーザ。ここの城主はわたくしよりも偉い人かのかしら?」


「そのご質問に女帝陛下の方が偉いとお答えしたら陛下はその方にどのように接するおつもりでしょうか?」


「それは、わたくしが居心地が良いように色々便宜を図るように命令するわよ」


「陛下。ここはケーセシャリー帝国ではありません。たとえ民草であろうと命令などしてはいけませんよ」


「ええ? 民に命令してはダメなのですか?」


「もちろんです。他国の民は、他国の主人の物ですから。その方の財産を奪うようなものですわ」


「えー。ではわたくしはどう過ごせばよろしいのです?」


「陛下にはたくさんの使用人が従者として従っておりますから。その者にお命じになってください」


「そうなの」


「とは言え、ここの城主が女帝陛下よりも偉いと言うわけではありません。毅然とした態度を取っておられれば問題ありません。ですがお気に召して頂きたいなら愛想よくした方が良いでしょう」


「ああ。たとえ守護龍様の予言でも、相手の方がわたくしを嫌いになったらどうしようもないわ。嫌われても許してね」


「陛下を嫌う殿方がおられたらわたくしが締め殺して見せます」


「スーザ。怖いからやめてちょうだい。嫌なら直ぐに帰って守護龍ゴーダガルーズに文句を言ってやるわ」


「そうなさいませ。こんなところまで遥々陛下を行幸させるなんて。あの威張りんぼ龍が!」


「スーザ。口調がだんだん過激なになっているわ」

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