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161 お前がデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)か?

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《レリトニール公子視点》


「だ・か・ら! あれは人形だって。主神ゼリューシュ様がそう言うんだからそうなんでしょ」


 俺のそんな言葉が空中を滑る。


「いえ。あれは剣神ユーリプス様に間違いありません」


 断言したのは剣王アイリス嬢だった。


「いやいや。あいついきなり攻撃してくる戦闘狂だし。あんなのが神様ってないんじゃないの?」


 俺の説得は功を奏しなかった。


「やはり。公子様はそんなご謙遜ばかり。なぜ高らかに神をも屈服させたと仰らないのです?」


 賢王リビエラ嬢が珍しく詰め寄ってきた。


「そんなのどうでも良いよ。剣神にもなれてないし。神が人形って言うならそれで良いじゃないか。

 それよりも、讃えられべきはアイリス嬢じゃないか。守護聖獣だっけ? ガーディー・マサル・ウン、、」


「「「サマル・ウンツ!」」」


 各方面から訂正が入った。俺に最後の一文字を言わせないこの気遣いに感謝だ。


「すまん。この間違い方は酷いな。そのウンツだ。ツね。そんな凄いのを本当にやっつけたんだから。あの人形の突然の攻撃は卑怯だし。僕もたまたま吹き飛ばされなかったのは運が良かったどけだよ。本当に凄いのは剣王アイリス嬢だよ」


 うんうん。


 よし。じゃあ別の話ね。


「はーい。この話は終わり。せっかく辺境伯の軍隊も来てくれているだし、ここからならリールセラートに簡単に入れるんだから、このまま行っちゃダメかな?」


 俺はレイバーン辺境伯に尋ねた。


「ははは。面白いですが、流石に根拠地も無いし、物資も」


「ああ。それなら大丈夫。物資は前に出した物資と同じ量の物資がまだアイテムボックスに入っているし、破城槌(はじょうつい)もあるし、砦も持って来てるから」


「はい? 破城槌(はじょうつい)? 砦?」


 レイバーン辺境伯が怪訝な顔になって尋ねた。


「父上」


 槍聖シュレディがレイバーン辺境伯の耳元に何やら囁き掛けた。


「は? アイテムボックスに? そんなものが入るのか?」


 レイバーン辺境伯が驚きの声を上げた。


「父上。あの方のめちゃくちゃさは剣神様を倒した時に充分に理解されたのでは?」


「なんでもありなの?」


 さすがのレイバーン辺境伯も大きく口を開けて驚きを隠せなかった。



《天の視点》


 この日、後に『地獄の行軍』と言う異名をもって世に名高いレイバーン辺境伯軍の大強行軍が敢行された。


 その距離は、約160キロである。その160キロを約六百の辺境伯軍は走り切ったのだ。


 それも一昼夜で、である。


 もちろんレリトニール公子のめちゃくちゃなバフがなければ無理だし、辺境伯軍の重い甲冑をアイテムボックスに入れるなどの様々な工夫がなければ無理な話だ。


 遅れた兵士は、テンシラーオン大公爵の嫡子レリトニール公子によって、縄でぐるぐる巻きにされて引き摺られたと後世伝わった。


 これらの一連の伝承は、信憑性に乏しいとして後世の史家はこれらの出来事をレリトニール公子の若かりし日の誇張されたエピソードとして盛られたのだ判断したが内容が内容なだけに、やむを得ないだろう。


 しかし、レリトニール公子を良く知る者は、その話を聞くとなぜか大笑いしたととある史書は伝えるいるそうである。


 レイバーン辺境伯軍は、リールセラートの首都の居城近くまで侵攻し、城の間近に砦を一昼夜で建設したと言う。


 リールセラート王国の王城はラッシートの発明した破城槌(はじょうつい)と言う巨大な新兵器によって無惨な廃墟と化した。


 王城の城壁が破られた時、摂政のエクセル公爵がレリトニール公子に向かって「お前は機械仕掛けの神のつもりか?」と訳の分からないことを言ったとか言わなかったとか。

亡国の姫編は以上で終了となります。


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