159 良いものってなあーに?
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《レリトニール公子視点》
勝った。
やったど!
で、剣神って称号を貰えるだったよね?
ん?
見ると天上からまたまた光の帯が降ってきていた。
その光の帯は、巨人の剣士を照らした。
巨人は重さが無かったかのように、宙に浮かび始めた。
「もしもし! 称号は?」
俺が巨人剣士にそう尋ねた時。
『我は天界のゼリューシュである』
ん? 聞いた事がある名前だ。
あ。俺をモブにした主神じゃん。
俺は慌ててその場に跪いた。なんとなくね。
『これなるは大剣神ユーリプスを模した人形である』
あ、そうなの? あの巨人は神様だったの。なるほど。人形でも強かったはずだね。
(レリトニール公子は、最初から神と戦っていたつもりなど無かったので、主神の話にそれほど違和感を感じていません)
「なるほど。そうですか。で、その人形との戦いになぜ主神自らおいでに?」
俺は尋ねた。まぁ、姿が見えないから本当に来ているのか知らんけど?
『ん? あ? そ、それはだな。なんだ。ああ?』
なんで主神様、こんなに慌ててるの?
『まぁ、なんだ。それよりもレリトニールよ』
お。なんだか無理矢理話題を変えに来た感じがしたけど。まぁいいか。
「はい?」
『あんまり修行せずにもっとゆったり暮らすが良いぞ』
この神様。何言い出すんだ?
あゝ、モブのままでいろと仰るわけだ。なんとなく気持ちが分かる。俺の与えた職業の通り暮らせと仰りたいんだよね。
(意外なことに核心をついた考察をしています)
そんな優しげに言っても嫌だね。でもここはうまく誤魔化さないと。
「主神様。お優しい言葉。ありがとうございます。しかしせっかくこの世界に生まれ修行すれば、わたくしのようなモブ職では有りますが、それなりではありますが強くなれる世界です。
このような素晴らしい世界にしてくださった主神様の温情に報いるためにも僕は、今の100倍強くなるまで頑張ります」
『ひゃ? 100倍か?』
「はい。可能ならもっと強くなりたいです」
限界は目の前だろうけど。とほほ。
『ほどほどにの』
あ! 騙されるところだった。称号だ。
「で、先程の神様の人形が僕に剣神の称号を与えてくれると仰っていたのですが?」
『うむ。あれは人形なのであれに勝っても与えられない』
なんだ。
「はあ」
ただ働き嫌だ。
『ではのさらばしゃ』
行っちゃったみたいだ。
『レリトニールちゃん』
今度? 女性の声だ。
「はい?」
『わたくしはアルテミスです。お父様はあのように説明しましたが、あなたは剣神ユーリプスに実力で勝ったのです』
「でも人形と」
『その是非はともかく、あなたは剣神ユーリプスに勝ったのです。本来なら剣神となるべきですが。
わたくしからご褒美を授けましょう。あなたは修行が大好きでしたね。これからも精進して天界においでなさい。待っています』
《限界突破のスキルを獲得しました》
おお!
これは嬉しいスキル獲得だ。
アルテミス様。ありがとうございます。
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