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153 あ! 俺の経験値がそらを飛んでいるぞ!

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《レリトニール公子視点》


(時間は少し遡る)


 ん?


 この柔らかい感触は?


「くすぐったい」


 ん?


 この小さな呟くような声は? リリー!


 俺は慌てて飛び起きた。


 なんと。なんと。俺は大聖女リリーアージュの膝を枕にして寝ていたようだ。


 こんな夢のような。今触っていたのはあの素晴らしい御御足(おみあし)か? もっと触りまくりた、、、


 げふんげふん。


「みんな心配そうな顔をしてどうしたの?」


 俺を覗き込むような体勢で見ている皆に尋ねた。





 気を失っていたらしい。


「じゃあ、アイリス嬢、シュレディ君、アドリュー君、ノイツ君、イールド君の五人がこの子達の村人を助けに?」


「はい。公子様は意識を無くしておられたので」


「でもリビエラ。どしてそんな前衛ばかり?」


「いえ。女の子達は皆、公子様が心配でしたから」


「「「「絶対に離れたくなかったのです!」」」」


 暗殺王エーメラルダ、始商王サスティナ、妖精王女メーラシアの三人がほぼ同時に行った。


「ですぅ」


 少し遅れて大聖女リリーアージュがポツリと呟いた。


 リリー? そんなに小さな声なのに他のお嬢さん方とおんなじように言い切りました! みたいな雰囲気なのはどうして?


 俺が心の中でツッコんでいると、北西の山の方で爆発音が聞こえた。


 直後、上空に巨大な気配がしたのでそちらを見た。


 遥かな空中に黒い点が現れていた。


「あっちは?」


 俺は爆発音のあった方向を指差して誰にともなく尋ねた。


「あちらは、神の森の方ですな。神々が住むと言う禁断の土地です。三つ首の大狼の外見を持つと言う守護者ガーディーサマル様が守っているそうです」


 答えたのはレイバーン辺境伯だった。


「で、あの黒点。いやもうあんな怪物になっているけど、あれって三つの首があるけど、そのガーディーサマルじゃ?」


 皆が俺の指差す上空に視線を向けると驚愕したように固まった。


 なんか寝てる間にクエストが発動していた模様だ。


 せっかく美女に膝枕してもらっていたのに意識を失うなど。いやいや、こんな重大事に意識を失うなど。


(レリトニール公子には、あそこに経験値が浮かんでいるぞ! って見えています)


「行くぞ!」


 俺はそう叫ぶと走り出していた。


 アイリス嬢には悪いがあれは俺の獲物た。


 こんな特別イベント中に気を失って参加していないなんて! 自分自身が許せない。


 アイリス嬢。一人だけいい思いをさせないぞ!


(無敵のアイリス嬢と思っているレリトニール公子様は、アイリス嬢のことなど少しも心配しておりません。おい! レリトニール。子供達の両親達の事も心配してやれよ!)


「「「「「公子様。お待ちください!」」」」」


 今は無視だ。


(女の子達は皆、アイリス嬢と子供達の両親を助けるためにいきなり走り出したとしか見えていません)


「レイバーン辺境伯。一部の部隊を残して全ての兵を連れて付いて来なさい。公子様のあの慌てようはただ事では有りません。皆さんも行きますよ!」


 リビエラの叫び声が聞こえた。あんなに大勢でこられたらまずい!


 ますます俺の経験値が低くなる。皆には悪いけどスピードを上げさせてもらうよ。


(全速力で走り始めるレリトニールであった)

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