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150 罠

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《剣王アイリスの視点》


「ケーレン隊長。子供の話は本当だったようです。奴等は村人約30名を連行してリールセラート国内に連行された模様です」 


 部隊の斥候が戻ってきて報告した。


「ケーレン隊長。直ぐに救出のためにリールセラートに向かいましょう」


 わたくしがそう進言すると隊長も。


「そうですね。まだ連れ去られて3時間ほどしか経っていない。急げば途中で追いつけるかもしれないですね」


 部隊は、全部で三百名だった。


 辺境伯軍が割ける最大数だろう。


 決断の早い辺境伯だからこその英断だ。


 Sクラスからは剣王の他に槍聖シュレディ、風聖ドリュー、蒼龍騎士剣聖ノイツ、大剣士剣聖イールドの四人が同行することになった。心強い味方である。


「坊ちゃんまで大丈夫だったんですか?」


 ケーレン隊長が槍聖シュレディに尋ねていた。


 今から敵国にいくのだ。決死隊である。まさか主家の嫡男であるシュレディまで同行するとは思わなかったのだ。


「ケーレン隊長。私も槍聖になったのです」


 胸を張ってシュレディが言った。


「え? 坊ちゃんが槍聖に? このことは旦那様はご存知なのです?」


「いやぁ。レリトニール公子様の周りにはこちらの剣王アイリス嬢や賢王リビエラ嬢、暗殺王エーメラルダ嬢、始商王サスティナ嬢、更には大聖女リリーアージュ様など凄い方ばかりがお集まりで、槍聖ごときで浮かれてもいられないのさ」


 槍聖シュレディが照れくさそうに答えた。


「はぁ。皆さん只者じゃないと思っていましたが王級の方ばかりなのですね」


 ケーレン隊長がしきりに感心していた。


「剣王アイリス嬢は、公子様を傷つけたことに責任を感じて今回、あの子たちの願いを叶えてやろうと考えられたのですか?」


 蒼龍騎士と言うレア職を持ち、今回剣聖の称号を勝ち取った、近衛騎士団長の息子ノイツが尋ねてきた。


「そうです。公子様が身を挺してまで庇った子供達の悲しむ姿を公子様に見せる訳にはいきませんもの」


 こう気持ちを言葉にすると、決意を新たにしますわね。


 さあ行きましょう。




《リールセラートの学術尚書(インテリジェンス)のある兵士の視点》


 どうやら思惑通り兵士がやってくることになった。


「ガニ副長。たったの三百ほどっすが、このまま爆発させるんです?」


 俺の横に立つガニ副長に尋ねた。


「む。行動が早いな。奴らは迷うとかないのか。馬鹿みたいに猪突猛進してんじゃねぇか?」


 リールセラート王国の暗部部隊を率いるこの人は、いつもこんな感じの受け答えをする。


 渋いのか面倒臭さがり屋なのか不明だが、こう見えて武術の達人である。


 さすがに世に名高い剣聖の称号などは無理でも剣豪の称号は確実に持っているはずだ。


「では奴らが禁忌の森に入ったら爆弾に火をつけます」


 そうすれば守護者ガーディーサマルが現れるはずだ。


「でもガニ副長。守護者ガーディーサマルなど呼び出して大丈夫なのですか?」


「ああ。分からんよ。エクセル宰相様直々のご命令らしい。やるしかないだろう?」

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