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149 救援部隊の編成

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《大聖女リリーアージュの視点》


 剣王アイリス様の絶叫が聞こえた瞬間。わたくしは全力で走っていた。


 脇目も振らず。


 スカートなんて気にしていたら走れないもの。


 公子様も気絶してらしたし。


「大聖女様。それ蘇生魔術じゃ? 公子様は死んでませんから!」


 剣王アイリス様がまた絶叫された。


「うん」


 わたくしは愛想よく答えた。


 回復魔法よりも魔力は消費するけど良く治るし、ちぎれた手だって生えてくるもの。


「えい!」


「大聖女様。ありがとうございます。公子様は大丈夫ですか?」


 血だらけの公子様の頭をわたくしの膝にのせている姿を厳しい目で見ながら賢王リビエラ様が尋ねられた。


「アイリス。どう言うこと?」


「分かりません。公子様はいつものように簡単にわたくしの技を回避されましたがなぜか剣を捨てて私の剣尖に無理矢理舞い戻って、それで、、、なにがなにやら分からないです」


 剣王アイリス様はオロオロしながら説明した。なにが起こっているのか理解できないようだ。


「ん?」


 暗殺王エーメラルダ様が声を出された。


「どうしました。暗殺王エーメラルダさん?」


 すかさず賢王リビエラ様が尋ねられた。


「ああ。あちらの方に二人の人の気配が近付いてきます」


 エーメラルダ様の説明に皆が彼女の指差す方を見た。


「あ!」


 今度は剣王アイリス様が声を上げられた。


「どうしましたアイリスさん?」


 リビエラ様がすかさず尋ねられる。


「わたくしもたった今、人の気配を感じ取りました。二人ですね。なるほど分かりました。公子様はこの気配の二人にわたくしの斬撃が当たらないように身を挺して守ったのですわ」


 その時、わたくしにも女の子の泣き声が聞こた。あっと思ったがわたくしの声は誰にも聞こえなかったようだ。


 わたくしが声のする方を見ていると茂みから男の子と女の子が出てくるところだった。





《剣王アイリスの視点》


 大聖女リリーアージュ様のおかげで公子様は難なきを得た。今はリリーアージュ様の膝に頭を乗せて眠っていらっしゃる。


「君たちは、どこらきたの?」


 わたくしは、茂みの中から現れた二人に尋ねた。


「あっちに僕たちの住んでいる家があるの。でも悪いおじさんが来てみんなを神様の森に連れて行っちゃったんだ。お姉さんたちは皆の仲間の軍隊さんなんだろ?

 僕のお父さんお母さんを助けて」


 それだけ言うと男の子まで泣き出してしまい。どう慰めても泣き止まない。よほど怖い思いをしたのだろう。


「リビエラ様。公子様はこの様子ですし、いかが致しましょうか?」


 わたくしはリビエラ様に尋ねた。


「そうね。この子達の村にひとまず行って様子を伺う必要があるわね。槍聖シュレディ様。この辺に村があるのかしら?」


「そこまでは知らないな。父上はご存知ですか?」


「ワシも知らぬ。お前たち誰か知っているか」


「はい。あちらの方に20世帯ほどの小さな聚落(しゅうらく)があります。恐らくそこの子供でしょう。その聚落を除けば人の住む村もかなり離れています」


 辺境伯軍の隊長の一人が説明してくれた。


「我国の民が誘拐されたとすれば放っておくわけにはいかぬであろう。それが罠であってもな」


 レーベン辺境伯が言った。


「お前は、部隊を率いその村に救援に迎え」


 レーベン辺境伯は、村の存在について答えた隊長に命じた。


「承知しました。直ちに部隊を招集します」


 隊長は慌てて敬礼をすると部隊を招集するために駆けて行った。


「レーベン辺境伯様。わたくしもあの部隊と一緒に行っても良いでしょうか?」


「おお。剣王殿が一緒に行ってくれふのではれば心強いが、大丈夫なのか?」


「もちろんです」


 こうしてわたくしは村人救助部隊に加わることになった。

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