141 前は敵。後ろは鬼神
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《要塞メドジールの司令官の視点》
「ヤックル司令官。奴らとんでもねぇ量の軍事物資を用意してやがるそうです。それが突然出現したみたいな事を言う奴までいる始末ですよ」
「ん? 副司令。輜重隊が来ているという情報は無かったが?」
「はあ。荷車やらなんやら嵩むもんばっかでしょう。隠れてなんて無理でしょうから変な話ですな」
「諜報員の奴らラッシート王国軍の来るのはまだまだって手を抜いていたのだろうな。何のための諜報員だ」
「ラッシートの諜報機関は壊滅状態だそうですならね」
「ああ。例の無茶な作戦でほとんどが捕まっちまったってことだ」
「本当に本国は何を考えてそんな作戦をしたんです?」
「なんでも結構辛辣な破壊工作を本国に仕掛けられていたそうなんだ。亡国の危機に瀕しているなんて大騒ぎだ」
「どんな陰謀なんですか?」
「それが、、、、かくかくしかじかかってんだ」
「ふぇ。そいつはえげつない陰謀を考えつく奴がいるんですな。許せませんな」
「全くだ。その陰謀への対抗策として国務大臣がスタンピード作戦を考えついてだな、しかしあっさり見破られてスタンピードは未然に防がれた上に全員とっ捕まってんだからもはや呆れるほどの大失敗だな。
そんでもってその報復のための軍事行動が今回のラッシート女王様と大公子様のご親征ってんだから。国務大臣は嵌められた。嵌められたってうわごとの様に言ってるらしぞ」
「はあ。しかしダンジョンを溢れ返させるなんて方法があるんですな。そんなのは手段があってもやっちゃいけない部類のもんじゃないんですか?」
「ああ。馬鹿だな。国務大臣の野郎は」
「それを聞いたのでつまらねぇ情報と思っていたのを一つ報告しときます。本国から来てる学術尚書の奴らが禁忌の森で何やらやらかしてるそうです」
「なに? ダンジョンの後は禁忌の森だと?」
「ため息がでますな。昨今のリールセラートのやり方は」
「やめとけ。国が滅ぶと決まるまでは真面目に軍人やっとけ。
学術尚書さんの活動なんてのに首を突っ込むんじゃない。
しかし、禁忌の森方面にバリケードを配備して、反対川の東の森に避難路を作っておけ。禁忌の森に何かあったら直ぐに逃げられるのようにしときな。こんな不景気な砦と心中なて真平ごめんだ」
「はぁ。前は敵さん。後は怒った神さんですか。勘弁してくださいよ」
「まったくだな」
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