140 禁忌の森
すみません。
ダブってました。
訂正します。
《リールセラートの兵士視点》
「おい。その荷物をあっちに運べ」
くそ。
偉そうに命令しやがって。
「早くしろ。敵は信じられない早さで行軍してくるらしいぞ。
ぐずぐずしている奴さんら直ぐに来てしまうぞ」
なに?
そんなに早く敵がくるのか?
大丈夫なのか?
「行軍速度が速いってことは、軍が思ったよりも少なかったってことでしょ。良かった。そもそもテンシラーオンとか言う有力貴族が私欲で軍を起こしたって言うじゃないですか」
お。さすが情報通のヤンセンの野郎だ。そうなの。
「ふん。知った様な事をきくじゃねぇ。奴ら一万以上の大軍で来るらしい。
全面戦争でもおっ始めるつもりか」
なに?
単なる小競り合いなんじゃ?
「隊長。全面戦争にはならないんじゃなかったっけ?」
おお。ヤンセンの野郎。勇気あんな。隊長に良く聞くよ。
「まぁ、言葉の綾だ。全面戦争をする気なら国を挙げて挙兵することになるだろうが、それにしちゃ今回のは準備期間も少ねぇし本腰を入れた侵攻じゃねぇんだよ」
「本気じゃないって何をたくらんでんだ?」
「今回の戦いではディーガの再興を目論んでんだよ。奴らディーガのお姫様を擁してるからな。名目はバッチリだ。お国のお偉いさんもディーガはもう諦めてるこったろ。今回の戦は出来レースみたいなもんだ」
「じゃあディーガ王国は前の様に復興するんだ」
「馬鹿か。滅んでしまった間抜けな国が完全復活なんてできるもんかよ。ラッシートもテンシラーオンもタダ働きなんて、してくれわけねぇだろ? ディーガ王国はラッシートの保護下とかに入って、たぶん国土は分割されてラッシートとテンシラーオンに吸収されちまうか、公国って位置付けの復興シナオリオもあっても良さそうなもんだが、そんなうまい話もないだろ。ディーガのお姫様は良くて貴族落ち、悪くすりゃ暗殺されかねねぇな」
「ふぇー。お姫様も気の毒に。そんな落ちが決まってなら、こんなところにこんなもんを仕掛ける必要ないんじゃね?」
「しらねぇよ。馬鹿でもなきゃ。こんなところに入ってこないだろうに」
「本当に。禁忌の森に入ってくるとか。馬鹿丸出しじゃないですか。って俺たちも神罰とか大丈夫なんすか?」
「大丈夫だ。ここの物を採取しなければちょっとくらい入っても大丈夫なんだそうだ。下手に周りの草花を傷つけんじゃねぞ」
「はぁ。嫌な任務ですよね。禁忌の森で任務だなんて」
「嫌ならさっさと仕事しろや。お前もまだ運んでねぇのか?」
二人の話を聞き込んでいたら怒られちゃったじゃねぇか。
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