133 破城槌
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《レリトニール公子視点》
「公子様。皆集めてきましたよ」
お。始商王サスティナ嬢だな。なんかマジックバックを両手で抱えて嬉しそうだね。
「全員そろったね。じゃあ行くぞ。あ。女王陛下に挨拶してから行こうか」
☆
《ラッシート王国女王マリーシアの視点》
ようやくお兄様に会えました。
なんてお美しい。
頭がボーとしちゃいます。
でもここでボーしていたらお兄様に呆れられてしまいますわ。
「それでお兄様は、軍事物資を全て運ぶと?」
「それで、テンシラーオンの軍も一緒で申し訳ないんだけど、どれくらいの速度で進めるのか確認したくてね。
要所要所に物資を置いておくよ」
ん。
難題を仰られる。つまり早く進めと仰りたいのだし。
わたくしの力量を測ってらっしゃるの?
「今晩は、メディン。明日はガーフでしょうか」
軍事物資が無いなら少しは早く進めるけど、本隊にも色々荷物があるし。あれが。
「あ。そうだ。本軍の物資も預かっていこうか? あの攻城戦用の破城槌も僕が運んで行くよ。邪魔なだけだろう」
なんと。そんなことまでできるのですか?
アイテムボックスに入れてと仰るがあの様な巨大な荷物まで運べるとは。
今回は、デモンストレーションのつもりで持ってきた最新武器だけど邪魔なだけでしたわね。
秘密の塊のような代物だし、置いていく訳にはいかない。そもそもあれを作るように説明してくださったのはお兄様じゃ無い。
あんな化け物を作れってしかも四年も前に。あんな子供が今日を予期していたように。
でもわたくしが王位を継ぐとお兄様は見抜いておられたからこそこのような秘術を授けてくださったのですよね。
だからわたくしはお兄様の教えてくださった破城槌を作ったのよ。
それなのに邪魔なだけだろうって。
「セバートスの大要塞メドジールでは戦力なりませんか?」
ん。なんかお兄様がにやりとされた。お考えがあるのですね。
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