131 何台入んの?
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《とある運送屋の視点》
ん?
この方は?
随分立派な服を着てらっしゃるから貴族様だろうな。
「やあ。荷物を預かりにきたよ」
「荷物ですか?」
「そうだよ。僕はマジックボックス持ちなんだよ」
マジックボックススキル。商人のスキルだな。貴族様じゃ無かったんだ。
「やあ。そうなの。羨ましいな。俺もそんなスキルが有ったらこんな荷車なんかに乗せて運んだりしないよ。まぁ運送屋なんざしてねぇだろうけどな」
「そうだね。じぁ預かっていくよ」
え?
この人。凄い容量のマジックボックスを持ってんだ。荷車ごと入れちゃったよ。
「はい。これ日当ね。もう帰って良いよ」
「え? 日当を頂けるんで? しかも金貨ですか?
こんなの見たことありませんよ」
「危険手当だから、気にしないで貰っといて。テンシラーオンで働いて無賃なんたこと絶対にさせないよ」
「いやぁ。戦時徴収なんだから。無賃が当たり前しょ。俺たち運送屋はそれで徴兵から免れてんだから」
「それは悪弊だねぇ。緊急事態だからって無茶な徴収してりゃ、後々ダメージが来るのにね。
そんなので戦争続けてたら民はみんな死にましたってね。領主はいなくても国は無くならないけど民はいなくなると国は存続できないんだからどっちが大切か考えたら分かるだろうにね」
ひぇ。こいつ可愛い顔して怖えこと言うな。
「そんなこと言って大丈夫なのか? 不敬罪で首をちょん切られるぞ」
「あ。そうだね。忠告ありがとう。気をつけるよ。じゃあね」
お。
次の人足のところに行くのか。
あ?
またアイテムボックスに荷車毎入れちゃったよ。すげぇすげぇ。二台分の荷車ごと入るマジックボックススキルなんて考えられねぇ。
この商人はとんでもねぇ大商人様なんじゃねぇか。
へ?
次の荷物も?
え?
何台入れられるだよ!
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