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128 児戯に等しくってよ2

《続きです)


「なんと! レオン王子が。彼の王家は子沢山だそうですな。王家にお生まれの方々も色々苦労されているとか。そんな中でレオン王子殿下は獣王陛下のお気に入りで同年代で王籍にとどまっておられるのはレオン王子だけとか。

 それほどにレオン王子の才能を買われておられたのか」


「はい。国王陛下は、レオン王子殿下のお母ソーミン王妃殿下がお気に入りだとか」


「なるほど。そうなのですな。

 また。レギオール獣王陛下は、今回のリールセラート王国への侵攻同盟に急に前向きになられたのとか。こちらの側からは反対の国境から牽制のために攻め入って頂けるとか。

 もしやレオン王子と公子様とのことが影響したと言うこのなのですか?」


「ふふふ。そんな難しいことはわたくしには分かりませんわ。

 少なくともその情報を獣王国に届けた時に同盟の申し出があったと聞いてきますが」


「はあ。先代が末姫様に王権をと仰った時には心臓が飛び出すような気分になりましたが、姫様は」


「わたくしはもう、あなたが守護してくださっていた王女ではありませんよ」


「はいはい。わたくしは単なる近衛騎士団長ですからな。レリトニール公子様といい。陛下といい。お可愛いお顔をなさりながらほんとうに酷い策を考えなさる。

 獣人など学園にお入れになって何をなさろうとしているのかと思いきや。姫様とレリトニール公子様は、遠く離れていても以心伝心ですな。獣人を学園に入学させると言う一手で拳聖と獣王国を懐に取り込むとは」


「お兄様ならきっとレオン王子の重要性を理解しておられるはず。

 まさか獣人の憧れの拳聖に仕立てた上にその方まで取り込むとまでは予想外ですが。そこがお兄様の恐ろしいところですわ。

 リューペンス伯爵は獣人を学園に入学させると申し上げたら楽しそうに笑ってらしたから賢王リビエラスト様に伝わるとは思っておりましたが」


「はあ。智慧の結晶の。なるほどそのような手筈だったのですか」


「そう。叡智伯様ったら笑って、娘からディーガの王女の話を聞いておりましてな、なんて別のことを言い出すのだから驚いたわよ。娘にもお兄様にもそんな説明は不要だと言わんばかりでしたわ」


「このタイミングでディーガの王女殿下ですからな。驚きますな」


「あの時は、お兄様のあの外征論とか言う面白い挑発声明を聞いてませんでしたから。まさかこのような形になるとまでは思いもよらなかった」


「智慧の結晶殿は気付いておられたのですか?」


「まさか。後で「面白くなりましたな」ってわたくしにだけ聞こえるように囁いてくださいましたから。あの方は傍観者のおつもりのようですわね。全ては娘にお任せになられて楽隠居のおつもりでしょう」


「いきなり我国の智慧の結晶殿が大公爵様の傘下に降った時は何を企んでいるのかと思いましたが」


「リューペンス伯爵は、子供のお兄様に初めてお会いした時に、天変地異が起こったかのようなめまいを覚えたそうです」


「ああ。8歳の時にはレベルが30を超えていたそうですね」


「伯爵様は、お兄様が可哀想だと思ったのでしょうね。レベルリセットの話をしたそうですが、その時お兄様はシステム論を展開して考察されたそうで、それに衝撃を受けたそうですわ」


「システム論?」


「はい。この世界は職業クラスを基礎にしたハイブリッドシステムを採用しているのだとか。

 わたくしには理解できませんでしたが。

 お兄様はそれを実践されて証明されました」


「サブ職業制ですね」


「恐ろしい方です。その智慧は神々に届いてしまうよう。遥かな高みにおられるのですわ」


「姫様がそこまで仰るとは、側近の私からすると想像を絶します」


「わたくしなどあの方に比べたら児戯に等しくってよ」

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