128 児戯と等しくってよ1
少し長くなりましたので分割します。
《ラッシート王国女王マリーシアの視点》
「陛下。あれはテンシラーオン大公爵様の軍勢ですね」
近衛団長、剣聖デュラン・ジャムシクが報告してくれた。
「そうなの。ようやくレリトニール兄様と会えますね」
「お待ちかねでしたね」
「ふふふ。お兄様とは三年? いえ四年ぶりかしら。王宮の庭園でお話したのを覚えているわ」
「随分とお久しぶりなのですね」
「そうなの。お兄様に必ず王都に遊びに来てくださいと何度もお願いしたのに。お兄様は修行に明け暮れておられたから」
「レリトニール公子様の修行好きは有名ですからな。陛下。あの軍の中には愚息のノイツと第一騎士団長スラッシャーの息子のイールドの二人もいると聞いております」
「お二人とも剣聖におなりになったそうね。さすがラッシートの三大剣聖のお家柄」
「いえいえ。息子などまだまだ。あやつには少しだけ才能はありましたが。少し鍛えると直ぐにヘタレれるし、こいつはダメかと思っておりました。よほど良い友に出会え切磋琢磨したものかと」
そんなこと言っているが、伯爵の顔ったら。とっても嬉しそう。伯爵。いいお顔よ。
「それにしてもお兄様の周りには凄い方ばかりお集まりになったものね」
「そうですな。ラリー公国の大聖女リリーアージュ嬢を始め、叡智伯の御息女賢王リビエラスト嬢。剣王アイリス嬢。暗殺王エーメラルダ嬢。始商王サスティナ嬢。それに亡国ディーガの王女殿下は妖精王女の称号を得たと聞きます。テンペフェレッツ伯爵の御子息は風聖に、レイバーン辺境伯のご子息まで槍聖になられたとか」
「ええ。追加の情報ですが獣王国のレオン王子殿下は拳聖になられ、王籍を返上してレリトニール公子様の従者になるとのことですわ」
(続く)
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