124 無理ですわぁぁぁ
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《エカテリーナ嬢の視点》
驚いた。
鍛治スキルをお持ちだとは聞いていたがこれほどとは。
公子様は補助鎚でもの凄い速さで剣を打ち付け始めた。
聖剣はジャジャ馬のように抵抗し、流したエンチャントの魔力を跳ね返すのだが、公子様はそれを抑え込むように鎚を打たれるのだ。
もちろん公子様は中途半端なことなど成される方ではないと分かっていたが、どうしてこんなに早く的確に鎚を振るえるのだろう?
わたくしは何も考えず鎚を振るう。
カツ! カツ! トントン。
その間に公子様が鎚を振るった。
ドドドド! ドドドド! ドドドド!
それは次第にリズミカルになり、作業所が揺れるほどに響き渡った。
面白いように魔力が剣に入り込んでいくのだ。
これならと、まず自動回復のエンチャントを掛けてヒビなどの補修を早々に済ませた。
刀身に広がっていたヒビや歪みなどがどんどん修復された。この段階で恐らく元の剣の能力をほぼ取り戻していただろう。
やれやれと一息つこうとした時だ。
これまで補助鎚に徹していた公子様の鎚が一際大きく打たれた。
ここだ!
そう。その鎚は言っていた。
わたくしが躊躇っているともう一度、一際強く打ち付けられた。
ふふふふ。
こうでした。
この方は優しい方だが、決して甘くは無いのだ。
こんなもんじゃないだろう。
そう仰りたいのですよね。
☆
《レリトニール公子視点》
お。
エカテリーナ嬢の鎚打つ速度が急に上がった。
へー。
凄い。凄い。
俺は、エカテリーナ嬢が流し込んだ魔力が漏れ出ないように剣に鎚を振り下ろした。
凄いよ。エカテリーナ嬢。
やっぱり君は鍛治聖だねぇ。かっけぇ。
エカテリーナ嬢の白い仕事着が堪らなく可愛いよ。
☆
《鍛治聖公女エカテリーナの視点》
は?
まだ、公子様は許してくださらないの。
もう。無理。
わたくしは懸命に鎚を振った。
わたくしの未熟なところを公子様が奇跡のように補完していく。
もはや自分が鍛治聖だなどとすら思わない。
この方は本当に不思議な方。鍛治の腕前もわたくしの想像を超えていた。
これは、、、
☆
《レリトニール公子視点》
なるほど。
そうくる。
俺は、問題提起してくるエカテリーナ嬢に答をえだす。
ここだろ!
鎚を振るった。
それ!
ほれ!
やれ!
(自分の素早さのステータスが異常に高いため普通に鎚を振っているつもりが機関銃のように打っている事にレリトニールは気付いていません。無意識に重力魔法で速さを補完したりしています)
☆
《エカテリーナ嬢》
え?
そうなのですか?
ここで重力のエンチャントですか?
は?
でももう魔力が、、、、
あ!
公子様がわたくしにバフを掛けてくださった。
ダンジョンでも感じたけど公子様はこちらがヘトヘトになりもうダメってなったらそれを助けるようなバフを掛けてくださるのだ。
もう人間じゃないですよね。
☆
《レリトニール公子視点》
お。
さすがだ!
エカテリーナ嬢。
(レリトニール公子は、自分が周りに時々バフを掛けていることは気付いていますが、どんなバフを掛けるかはスキル任せにしています)
さっきあの剣を振るってから思ってたんだ。
この聖剣には重力魔法と空間魔法のエンチャントが無い。
そうだよ。エカテリーナ嬢。君はやっぱり天才だよ!
やっぱ、厨二は、重力と空間でしょ!
よし!
ここは時間魔法もだ!
☆
《鍛治公女エカテリーナ視点》
はい?
今、時間魔法をお使いに?
そんなの無理です。
重力魔法や時間魔法もわたくしには荷が重いのですよ!
時間魔法なんて賢王様しかお使いになれないと思ってた。
無理ですわぁぁぁ!
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