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118 神剣

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《ベーベンダール商会長ヤードおじさんの視点》


 今日はなんとも忙しいことだ。


 国から本家のお嬢様が我が商会に足を運んでくださった。


 お嬢様は学園でとても忙しいらしく、今まで工房においでくださらなかったので心配だったのだ。


 そこに噂の人が現れた。あのレリトニール公子様だ。


 噂に違わぬ美しい方だった。もし、この方が女性だったら美しさのために国が争いかねないほどだ。男の私でさえ目が張り付いたように離せなくなってしまうほどだ。


 もはや人間とは思えない美しさだ。


 しかし、公子様はご自身がお美しい事には、全く無頓着な方だそうだ。


 使用人や姉上の言うがままに服を文句も言わずに着るそうで、着せ替え人形のように日に何度も着替えさせられたりしているとか。


 想像するだけで、なんとも微笑ましい光景が目には浮かぶようだ。


 しかし、お噂では武道学道魔道の三道に信じれないくらいにお達者だそうだ。全てにおいてあり得ないほどの優秀さを示しておられ、一説には世界的なレベルなのだとか。


 そこまで言われると盛りすぎなろうが、もし話半分としても同年代の中でも最も有望な青年の一人であることは間違いないだろう。


 幸いお嬢様はあれほどの美貌をお持ちなだけでなく魔剣を作らせたら先代を上回ると言われるほどの才能のお持ちの方。


 良いご縁ではないか。と思うのは私だけではないだろう。ベーベンダール公爵様もそう思いだから今年、お嬢様を入学させたに違いない。


 お店に入るなりお嬢様の鍛治の姿を見たいと仰ったのには驚いたが、それがお嬢様への個人的な興味と言うのならまんざらではないのだろう。嬉しい限りだ。公爵様にも今日のことをお伝えせねば。


 お嬢様が仕事着に着替えに行かれたが女性の仕度は時間のかかるもの。ここは公子様に待ちくたびれて頂かないよう、店の商品でも見て頂こう。



 公子様によると、ご一緒の面々は、なんと剣聖様がお二人。槍聖(そうせい)様がお一人だそうだ。かなんとも凄いメンバーをお連れになっている。


 私は武道などとんとできないが、称号が生えるのは凄いことだと聞いている。


 天職が剣士職を持つ者が、十年修行の末に剣豪の称号が得る事があるかもしれないと言う程度に厳しいものだそうだ。


 剣聖とはそんな剣豪の中でも特に秀でた人が授けられる称号だそうだ。


 Aランクの魔物を倒せるとか。


 そんな凄い方が3人揃うなど信じられない。今年の学園は化け物屋敷なんて言われているらしいが。


 でもこの子たちは、見た目も爽やかでイケメンばかりだし、とてもそんな豪の者とは思えない。



 私が特に驚いたのは公子様が例の剣に興味を持たれたことだ。


 この剣は曰く付きの剣だ。


 先先代様が剣神ユーリプス様に奉納する為に特別に作った剣だった。


 先先代様の話によると奉納は一旦はうまくいったのだと言う。ところが暫くして剣は返されたのだ。


 先先代様は奉納したものとは別物になって帰ってきたと仰っていた。


「あの剣は俺とユーリプス神の合作だ」


 恐らくユーリプス神は先先代様の作られた剣に何かした。そして制御できなくなったので返してきたのだと先先代様は仰っておられた。


 聖剣にあらず神剣なり。


 先先代様はそのように言っておられた。


 そして、公子様はこの剣を買うと仰る。金貨30万枚とふっかけると怪訝そうな顔をされた。


 どうやら公子様は鑑定スキルまで持ってらっしゃるご様子。


 この剣の曰くを少しだけ説明した。公子様は目を輝かせて興味を持たれたようだ。


 え?


 公子様は今、何を言った? お嬢様が鍛治聖になられた? そんなことを? え? 空耳か?


 はあ?


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