115 見せてよね、エカテリーナ嬢
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《レリトニール公子視点》
今日は、男の子だけでブラブラする。それが目的だ。そうブラブラするのだ。
用事もないのにブラブラ。
それが友情と言うものだ。知らんけど。
なんかその無駄に時間を浪費している感じが良いだよね。修行をしている時も別の意味で良いんだけど。
ともかく、友情を深めるってことは大切だよね。
しかし、平民のペーターが一番気心が置けないけどね。
そう言えばペーターは天職が農民のくせにレベル350にまでなっている。もう反則だよな。
レベリングで一番頑張ったからそれは良いんだけど。
まぁ、士農工商って農民は二番目の身分だしな。モブよりも上位なのね。泣き。
レベルが200でピタリと止まってしまった俺からすると羨ましい限りだ。やはりモブは辛い。一層、頑張ってステータスをあげねば。
「公子様。ここはベーベンダール商会です。有名な工匠の剣が揃っていると噂のお店ですよ」
近衛騎士団長の息子イールド君が教えてくれた。
鍛治っ公女エカテーリナ嬢の実家が主催する武器や防具を商うお店だ。
「ベーベンダールってあの?」
「はい。エカテリーナ公女様の」
「いいね。剣王アイリス嬢の愛剣も彼女の作なんだよ。あんな可愛い女の子があんな素晴らしい剣を作るなんて凄いよね。
可愛いチミっ子姫が作った剣を美女剣士アイリス嬢が振るう。実に美しく芸術的だね。
チミっ子エカテリーナ嬢が剣を打っているところをぜひとも見てせて欲しいよね。可愛いんだろうね」
俺はそんなことを言いながら店の扉を開いた。
シュレディ。ノイツ。イールドの三人もユル顔をしてうんうん頷いている。
来客をしらせるガランガランという鐘の音とともに店の中に入った。
お。噂をすればだ。
「やあ。エカテリーナ嬢。良いところで会えたよ。あ、ここはベーベンダール商会だから、いてもおかしくないのか」
俺はそう言いながら奥の方で大きなお腹のドワーフ男性と話している鍛治っ公女エカテリーナ嬢の方に歩いて行った。
「まぁ。公子様。よく来て頂きましたわ。明日は出立の日なのに、ようこそ我がベーベンダール商会においでくださいました」
鍛治っ公女エカテリーナ嬢が小さな体を更に低くして、カーテシーをしてくれた。
うん。可愛い。小さくて細くってほんと可愛いね。
横のおじさんのドワーフさんとは偉い違いだ。
「もしや貴方様は、テンシラーオン大公爵のご子息様でいらっしゃいますか?」
ドワーフおじさんが驚いたように言った。
「こちらは当ベーベンダール商会の商会長のヤードおじ様です。ご贔屓にしてくださいまし」
鍛治っ公女エカテーリナ嬢が横の福々しいエビス風の中年の男の人を紹介してくれた。
「ベーベンダール商会長。よろしくお願いします」
俺は日本人なので紹介されたら丁寧に挨拶することにしているのだ。礼はしないけど。0なだけに。ゲフンゲフン。
「これはこれは大公爵家のご子息様にそのような丁寧なご挨拶を頂けますとは光栄の極みにございます」
なんたらかんたら、、、、(略)
長ぇよ!
「で。エカテリーナ嬢。君が剣を打っているところを是非見せてよ。ここの地下って工房なんでしょ?」
「まぁ。完全に防音しているはずなのに。地下に工房が有りますの。でも見破られたのは初めてですわ」
鍛治っ公女エカテーリナが驚いて言った。口を大きく開いている様子から本当に驚いている様子だ。
まぁここはスルーだな。
「鍛治技術の保護のために見学はお断りしておりますが、日頃お世話になっている公子様の頼みとあれば、叶えて差し上げないと」
こうして俺はエカテリーナ嬢の鍛治姿を鑑賞させて頂くことになったのだった。
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