106 はい。はい。力まないの。
本日6話目です。
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《レリトニール公子の視点》
おい、おい。
俺が助けた側から焼き尽くすのはどうよ。
「まぁ、まぁ。二人ともそんなに力まないの」
俺は剣王アイリス嬢と賢者リビエラ嬢の肩に手を添えて二人を下がらせた。
「こんにちは。あなたが責任者さん?」
俺は怖がらせないようにニッコリと笑いながら言った。
俺が話かけたのは部隊の責任者と思しき人物だ。だって一番強そうなんだもん。
恐らくそこそこの強さだ。剣聖と剣王の中間くらいの強さ? 知らんけど。
俺は人の強さがわかる男だ。察知スキルとも言うが。
なかなか渋い感じのちょいワル系親父だ。
あ。よく見るとこの人。顔が真っ青だし。
怖がってんじゃん。
あーあ。そりゃ賢者やら剣王やら武王やらが一堂に会する我がパーティーだしね。
あんなに大声で怒鳴って威嚇の魔法陣まで出しちゃ怖いよね。
どうしてこの二人はこんなに怖いの? 人を怖がらせる天才なの?
見ると周りの皆もカチカチになっている。
本当に震えて怖がってるよこの人達。
「はーい。皆さん。剣を仕舞ってくださいね。危ないですよ」
ほら。俺が優しく言うとあんなに必死になって剣を仕舞ってるじゃん。
それに黄門様じゃあるまいしこんなところで印籠を見せて頭が高いなんて感じなのやめてよ。恥ずかしいから。
「どうしてお分かりになったのか。いやいやテンシラーオン大公爵家のこと。今回の我々の作戦もお見通しか。
我はお察しの通りの者。密偵の分際ゆえ自ら身分を言うのはお許しください。我が名はラーケンと申します。家名はご容赦を。そして願わくば我が部隊の者達の命だけはお許しください」
「公子様。リールセラート王国には千人将軍と言う職位がありますが、その中にラーキュー•ホワイトという聖騎士がおりますが先月その者が謀反の咎で斬首の刑に処せられたと聞き及んでおります。その方はそのラーキュー•ホワイトその人かと」
女忍サスティナ嬢が説明してくれた。斬首されたはずの人が他国の迷宮で百人以上の兵隊を連れて軍事行動をしていたわけだ。
「リールセラート王国は、迷宮条約違反をしたいのかな?」
迷宮で軍事行動をしたらダメだよね。スタンピードになっちゃうよ。
この人ラーキューさんなのかラーケンさんなのか分かんないけど他国で暴れてんだから何にも言えないよね。
それくらいは俺でも分かる。
「賢者さん。説明してよどう言うこと?」
ここは賢者様に聞くのが早いだろう。
「公子様の罠が見事にハマりましたね。おめでとうございます」
は?
何言ってのこの人。
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