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100 手がむずむずする

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《鍛治っ公女エカテリーナの視点》


「それはニュアンスが違うかな」


 剣王アイリス様はそう仰って笑われた。


「わかりやすく言うと公子様は他人に対する評価を高くご自身の評価をとても低く評価されるの。

 もし公子様ほどの方が正しく我々を評価してくださるならもっともっとずっと低い評価にすべきだと思うの。わたくしは公子様の剣術が目標なの。目標と比べてずっと劣っていると言っているのよ」


 そう剣王様は説明された。


 あんなめちゃくちゃな剣技を披露された剣王様のそのお言葉は納得ができない。


「でも剣王様。公子様は剣技に対してはなんの称号もお持ちじゃないと思います。剣技に関しては剣王様の方が上なのではないですか?」


 亡国メーラシア姫様が尋ねられた。


「それも誤解です。わたくしは剣王。でもレリトニール公子様は、わたくしよりもずっと剣技において上をいってらっしゃるのは間違いありません。

 公子様は剣が不得意なので素手で闘っていると思うかもしれないけどそれは違います。公子様は、ずっと昔から剣技をお持ちだし、剣技のレベルは3だと仰っているけど信じられない。一時はわたくしのほうが剣技が高くなって公子様よりも強くなったことがあるから分かる」


 剣王様は、とても嬉しそうにそんか説明をしていた。それは世間の常識では理解できないものだ。


 剣王は誰よりも剣技が上手いから剣王なのだ。剣王の上はもはや人ではなく剣の神になってしまう。


 歴史的にはたったお一人ユーリプス様しかおられない。剣神ユーリプス様は天上界の神になられた。


 剣神になると言うことはユーリプス神に勝つってことだ。


「剣王様は、ユーリプス神に挑戦するおつもりなのですか?」


 思わずわたくしはお二人の会話に割って入ってしまった。


「剣の道を目指す人の究極の目的はそこにあると言われるものね。ユーリプス神様は、何百年も挑戦者をお待ちになっていると言われているもの。

 でもわたくしの目標は公子様と互角に戦うこと。勝つなんて無理だもの」


 剣のことは良く分からないけど、匠の道になぞらえて考えれば少しは理解できる気がした。剣王様の剣はわたくしが鍛えた剣で、それは誇りでもある。


 でも剣王様の今の強さを見たらあの剣ではダメだと気付いてしまった。鍛え直さないと。


 手がむずむずするし、顔から血の気が引く。


 そんな気持ちと同じなのだろう。

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