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095 はい?

本日三つ目の話です。よろしくお願いします。


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《賢者リビエラの視点》


 なぜあれだけ公子様がお急ぎになられていたのか。


 理由は武王サイラス様の言う通り、この迷宮ではスタンピードが起こっているからだったのだろう。


 どのようにしてその情報をお知りになっのか? 公子様はもはや普通の人ではなく聖人様なので御神託でも受けられたのだろうと考えないようにした。


 これほどの数の魔物が地上に溢れ出たら大変なことになるだろう。


 ダンジョン『嘆き絶壁』は、公都エベンガルトにそこそこ近いのがいけない。


 過去からたびたびスタンピードを引き起こす厄介なダンジョンなのだ。


 嬉々として魔物を(ほふ)っておられる公子様のお姿はいっそ神々しかった。


 公子様の全ての動きが無数の魔物を瞬く間に見事なまでに粉砕してしまうのだ。


 公子様は腕や足の先に何か得体の知れないエネルギーを纏っておられるのだろうと思う。そうでも無ければ公子様が手を一振りさせるだけで触れもしないのに何十匹もの魔物が吹き飛ばされ粉々になるわけがない。


 いっそ魔物の方が可哀想に感じるのは公子様の圧倒的な強さを前にするからだ。


 公子様が魔物に飛び込んで行かれ魔物は粉々に吹き飛ばされてしまう。


 わたくしと武王はぺちゃんこになった魔物を飛び越して公子様の後を必死に追うだけなのだが、なかなか追いつけない速さで進まれる。


 どうしてあんな数の魔物を倒して進む公子様よりも後を追うだけの我々が遅れをとるのか。


 武王サイラス様もわたくしを助けながら進んでくださっていることもあるとはいえ、めちゃくちゃな公子様の強さに。


「なんて野郎だ」


 と、少し失礼な呟きを漏らされていた。もちろん褒め言葉なので聞かなかったことにする。


 そんな速度で進んでいたからあっという間に皆に追いついたようだ。


 どうやら魔物に取り囲まれて難儀されているご様子。皆さん無事なようでホッとする。


 レリトニール公子様とわたくしたちは、皆さんの真ん中に飛び込んでいった。


「女忍エーメラルダさん。お邪魔様」


「賢者リビエラスト様。どうして?」


「公子様がこの状況をなんらかの方法で察知されたんでしょうね。貴方達と合流されるそうよ」


 わたくしの説明に目を白黒させて驚く女忍エーメラルダ嬢の驚く顔が心地よい。


「でもわたくし達が来てからまだ三時間程度しか経っていませんよ。良くこれほど早く来られましたね」


「そうよね。皆さんが全員で行かれるって話をしていたら急に合流すると言い出されたけど。もしかしたらあの時に神から啓示を受けられたのかもしれないわ」


 わたくしがそう答えると女忍エーメラルダ様は納得されていた。


「今の状況を手早く説明して」


 わたくしは従者筆頭としての役割を果たすために尋ねた。


「わたくし達は、効率性を考えて剣王様班とわたくし達の班の二つに班分けしました。

 剣王様には、魔女っ公女リージィー様、鍛治公女エカテリーナ様、そして亡国の姫メーラシア様の三名のレベリングをお願いし、わたくし達が他のメンバーをレベリングすることにしたのです。

 二つの班があまりくっついているのは非効率なので距離を取るためわたくし達はこの第一階層で待っていたのです。

 先に行かれた剣王様達も心配でしたので助けに行くか留まるか迷っているうちに。わたくしの判断ミスです」


 女忍エーメラルダが説明してくれた。


「剣王アイリス様なら三人程度を守ってなら無事に戻ってこられると思います」


 わたくしがそう答えると公子様が割って入られた。


「アイリス嬢のことだ。ここには戻ってこないな。それにこんな状況だし。俺達も先に行こうか」


「「「「「「「はい?」」」」」」」


 全員の疑問の声がこだましたのだった。

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