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第三幕 超巨大隕石

【アンノウン】ーーー俺は確かにそう叫んだ筈だ。


だが、その能力はーーー


「...って、何も起きねぇじゃねぇかああぁぁ!!!」


再びアスタリアの腕を引っ掴んで走り出した。


「あれー?おかしいですねー...」


俺に腕を捕まれ走りながらも、人差し指を顎に当てるその余裕は何処から来ているのだろうか。

兎に角もう後がない。

どうする、俺!?


するとアスタリアが上空を指差して何やら呟き始めた。


「何でしょうかねあれ...」


彼女の指に吊られ、上空を見上げようとしたーーーその時だった。


上空から放たれる強烈な光に俺は顔をしかめる。

何かがこっちに向かって落ちて来てる様だ。


ズゴゴゴゴゴ....


大きな音を立て、何かが近づいてきた。それはーーー


「...は?隕石!?」


そう、炎を纏った巨大な隕石が大蜥蜴目掛けて落ちてきているのだ。

しかし、それは同時にーーー


「俺達も巻添え喰らうぞ...あれ...」


背筋がゾッとした。

確かにあれで大蜥蜴はイチコロかもしれない。

だが同時に、俺達もイチコロなのは明白だった。


俺はこの一時間もしない内に三回も死にかけているのだ。

もしや、【アンノウン】って呪われた力なんじゃないのか!?


ズゴゴゴゴゴ....


あぁ、もう駄目だ。お仕舞いだ。

どう考えてもあれを止める手段はない。

ならばせめて、最期に格好つけさせてくれ。


アスタリアの腕を引っ張り俺の胸元へ引き寄せる。

そして、彼女の上に覆い被さる様にうつ伏せに倒れこんだ。


(短い人生だったな...)


ーーーズドオオォォン!!!!


そして隕石は大蜥蜴と、俺達の元へ落ちた。



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