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水中花 (桜)  作者: 山きょん
3/3

もう吞むしかない 聡君に信じてもらためにも

夏姉 恋愛事故なんて、よく言ったわ 聡君、重症だわ 私が若返ったとしても

どうすれば、立ち直ってくれるのかしら、、、


 ソファーに座り、聡君の事 娘二人、孫二人の事を考える。

下の娘瑠香は、あっけらかんとしているから、本当の事話しても大丈夫かなと思ったり

上の美香は結婚して男の子二人 忙しそうだし 旦那とは、熟年離婚で二度と会いたくないし

まー大丈夫 何とか成るわと開き直る


 えい!ごちゃごちゃ思って仕方ない。呑む

袋を開くと、昔子供に呑ませた事のある奇応丸のような薬 大きな口を開け

一気に呑み込む 胸のあたりが 苦しくなり 水で流し込む


 呑んでしまった。


 フラフラとベットに行き、静かに横たわる

死んだりしないかしらと、不安が私を襲う。眠りに落ちるのが怖くなり

必死に抵抗していた。 その時 夏姉が現れた



「ごめんね 楓 本当に気付かんかったん。ネックレスを首にかけてくれた時

心臓がドキッとして、肩に手がそのままになって、聡君が何か言いそうになった時

息が苦しくなって、逃げて何にも言えずに、」


「孫みたいで、心配でほっとけなくて、それなのに、お兄さんぶってる所が可愛くて

それが、恋だなんて知らなかった。恋愛事故なんて、バカね 本当の事話してたら、

こんな事にならなかったのに、もう少し 若い夏の私と一緒にいて欲しかったって、

思ってしまったから」



 高校にも行かず、家族の為に働いてくれた夏姉 恋愛もせず、家の為 結婚した

夏姉を、責めるこは出来ない


 でも羨ましい。 恋愛もしたが、見合い結婚で、見た目は良かったが、金遣いが荒く

イヤなになるぐらいに、働いた私 

 物静かで、真面目な夏姉の旦那 そんなもんて言ってたけど、幸せそうだった。


 その上 若返って初恋で、楽しくしてたかと思うと、自業自得よって思ってしまう。


 高校まで行かせてくれたのに、陸上やアイドルに夢中で勉強もせず、

就職祝いまで、もらって イヤな私 醜いわ 羨ましがるなんて ごめんなさい


 私の心の中が、見えたのか、寂しそうな顔


「夏姉 ごめん。聡君のことは任せて 私は大丈夫 一年若返って働いて

友達と旅行にでも行くわ」


「楓 ありがとう。そして、ごめんね 楓が結婚してから気にかけて上げれなくって」


 スッと消えた夏姉の後に、旦那さんの進さんが、頭を下げていたような気がした。

 


 身体全身が、脈打つ感覚の中、私は深い眠りに落ちていった。



 桜 夏姉が見た 私が見たかったダムに沈んだ桜が、浮ぶ私の身体と一緒に

水面に上がる、その桜に手を伸ばした


 その時 目が覚めた。


 その伸びた手は、白く 触ってみると滑らかで、張りがある。


 ベットから、飛び起き 洗面所の鏡を見る。

そこには、若い私がいる。


「ほんまに、若返った。十川 楓 二十歳や」


 


 







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