第84話:米艦隊の進撃
この物語を読んで頂いている皆様にお伝えしたいのですが何か登場させて欲しい兵器や人物がいれば可能なら登場させて活躍の場を考えますので感想と共にお願いします。
現代の兵器は難しいですのであくまでWW2まででお願いします。
私達の歴史では戦後、活躍した方でもこの物語上では鬼籍に入った人物もいますので。
昭和二十一年十一月一日、米国艦隊本拠地“真珠湾”から出撃した日本本土侵攻艦隊がサイパン島沖に到達する。
歴史史上最大の無数の艦船が海を覆いつくしている。
現在のサイパン島は一年前に伊400により木っ端微塵に基地が破壊されてそれから復興はされておらず辺り一面が草木に覆われていたのである。
勿論、日本も初めは戦線をここまで広げようとしたが石原莞爾の提言で白紙になりこの地を含むマリアナ諸島はここ一年、空白地帯であった。
米艦隊は臨時的にサイパン島にて簡易基地を建設して補給及び休息地として使用する事になり搭載していた物資の一部を使って僅か数日の内に完成させる。
その様子を一部始終観察していた“さがみ”では有泉艦長が感心した様子で眺めていると副長の柳本がやってくる。
「艦長、あの基地を放っておくのですか? まあ、破壊してもあまり意味はないですが?」
有泉は頷くと石原莞爾が構築した作戦を少しでも綻びさせないために当初の予定通り上陸開始するまで手を出さない事を改めて厳命する。
このサイパン島付近の状況を“おおわし”とのリンクを経て伊400も又、グアム島沖北東十キロ地点で水深五十メートルの所で情報を収集していた。
「何というか……呆れるほどの戦力だな」
「荷電粒子砲で数回撫でれば全滅かと?」
「確かにそうだがそれでは意味がない、どっちが力尽きるまでやるだろうね」
日下はモニターを見ていたが米艦隊の動きが変化したのを発見する。
戦艦五隻、空母三隻、巡洋艦十五隻、駆逐艦二十隻、輸送船百隻が進路を変更して艦隊から分離していく。
「何をしているのだろう? 陽動かな?」
橋本が思案すると日下も考える。
その時、日下の脳裏が何かに閃いたのを感じる。
「ああ、分かった気がする! あれはやはり陽動だが俺達が目的かもしれないな。奴らにとってこの潜水艦は疫病神の存在だからな。この伊400を誘きよせようとしているのだろう」
日下の言葉に吉田技術長が何か興味深そうに映像を見ていたが何か疑問をもっていたようで日下に言う。
「日下艦長、あの輸送船を拡大して頂けませんか? 只の輸送船ではないかと思いますが」
吉田の言葉に日下は頷いて例の輸送船を拡大させる。
ちなみに“おおわし”からリンクしている映像は各自(“さがみ”等)、自由に拡大や縮小が出来てそれに関しては他とリンクしないのである。
「やはり……そうだ! 艦長、あの輸送船は……対伊400用の兵器だと断定できます。あれは一種のマイクロウェーブ発生装置です。莫大な電気が必要なので恐らく一回のみしか使用できませんがかなりの高出力です」
吉田の言葉に日下は電子レンジの仕様だなと言うと吉田も頷く。
「……ちなみにこの伊400の船体は大丈夫なのですか?」
橋本の言葉に吉田は複雑な表情をして一応は対策しているがどれだけの出力によるかが問題だと言う。
だが、吉田は急に笑顔になりこんなこともあろうかと思い一日あれば完璧なシールドを作成できて艦全体を覆うことが出来ると言う。
「恐らくあの分離艦隊はこの伊400と会敵するまでしつこく探し回ると思いますので一旦、海底まで潜り二十二時間私に与えてくれれば完成させます」
吉田の自信満々の言葉に日下も頼もしそうに頷くと発令所全体に命令を発す。
伊400は水深七千五百メートルの海底まで潜って停止する。
「さあ、じゃんじゃんやりますかな!!」
「忘れてはいけないが奴らと会敵するタイミングは上陸軍全てが上陸した後だ!」
♦♦
一方、マイクロウェーブ装置を搭載した輸送船を護衛している米艦隊旗艦である戦艦“ハワイ”艦橋で司令官『ウイロー』中将が対潜指揮を執っていた。
「いいな、我らの目的はリヴァイアサンと呼ばれる海の悪魔を退治する為だ! 出来るだけ目立つように行動せよ! 何、心配するな! 日本本土の戦力は無きに等しいしカミカゼが来ても十分に対処できるからな」
ちなみに輸送船には一兵もいなく吉田が予想した通り、高出力マイクロウェーブ発生装置で九十九隻の輸送船には蓄電池が積み込まれていて充電をしていたのである。
「ククク、さあ来るのだ! 白鯨よ、このウイロー様が輪切りにしてやる!」
艦橋で笑っている艦長を大部分の兵は頼もしそうに見ているが艦長を始めとして彼らは大した戦いしか経験していない大西洋専門であったので完全に舐めていた。
「ニミッツ提督からは慎重に行けと言われたが気にしすぎだな! よし、もっと奴をおびき寄せる為に九州方面へ針路を向けろ! 念のためにカミカゼ攻撃対策としてローテーションで艦隊上空を護る事にする」
分離艦隊航空母艦から次々とF8Fベアキャットが離陸していく。
それを監視していた“さがみ”では気の毒そうな表情をした有泉がモニターを眺めていて柳本に無駄な事をしているなと笑う。
「そうですね、伊400は彼らの近くの海底で何やら敵の新兵器対策の兵器? を作成しているようですね」
海底に行く前に日下はこの事を有泉に伝えると例の艦隊は逐一、監視しているから大丈夫だと送ったのである。
次話は設立された日本空軍の事を物語に捉えたいと思っています。




