第60話:一時の勝利の美酒
遂に決着が着きます、果たしてどうなるのか?
現在、エノラ・ゲイは奈良県十津川村上空を通過した所で現在、爆弾倉を開放して最終チェック段階であった。
だが、そのエノラ・ゲイに日本軍機が迫ってきていたが見つけた時には既に戦闘可能限界時間に達した時だったが疾風二機が無理をして攻撃を仕掛けたが弾切れと共にエンジン不調で出力が落ちてしまい降下する。
「くそったれ!!」
パイロットが操縦桿を上に引き上げるがエンジン出力が急速に落ちていき一気に数千メートル下降したが高度数百メートルで持ち直す。
この状況を見ていた日下と有泉は勿論、“さがみ”と伊400の乗員は目を血縛らせて凝視している。
「……これまでか……」
日下が観念したかのように目を瞑ると“さがみ”から大声で入電が入る。
「東から時速七百キロの高速で迫る二機を探知しました! 映像を出します」
映像が映し出されるとそこには“震電”二機が急速に飛行していて一気に急上昇する。
「真打ち登場だ! アメ公、やらせはせん!!」
岩本大尉はエノラ・ゲイを捉えると三十ミリ機関砲のトリガーを引く。
ドンドンと機関砲が放たれると共に機体全体に凄まじい振動が来るがエノラ・ゲイ号の尾翼と後部翼が吹き飛ぶ。
そして坂井大尉の震電がエノラ・ゲイ号の真正面から機関砲のトリガーを引く。
風防を突き破った機関砲はチベッツ機長を始めとした乗員をミンチにすると共に操縦室の全員が即死する。
破壊された操縦室の鋭い破片が高速でカーチス・ルメイの右腕と右足を吹き飛ばす。
絶叫と共に床に倒れ込むカーチス・ルメイだが岩本大尉の震電が下方から再び機関砲を撃つ。
爆弾槽にいたパーソンズは全身を機関砲に撃ち抜かれてミンチになり一瞬で絶命するが最後の最後で投下スイッチを押したのであった。
原子爆弾が空中に放り出される。
激痛にのたうち回っていたカーチス・ルメイはニヤリと笑う。
「よ……し、いいぞ! くたばれ、ジャップ!」
既に意識は朦朧としていた。
エノラ・ゲイは既にコントロールを失い垂直に墜落していく。
岩本がとどめに残りの機関砲弾をエノラ・ゲイに撃ち込むと機体の全体がボコボコと穴があけられて原型を留めない程、破壊されると同時に破片が次々とカーチス・ルメイの全身に突き刺さり、口から大量の血反吐を吐き出すと共にどんどん意識が薄れていくが一瞬の間だが見たこともない景色が見えた。
航空自衛隊? 天皇陛下から勲章を受章する自分の姿が見える。
「……解せな……い……」
そこで彼の意識は途絶える。
エノラ・ゲイ号は京都府長岡京上空で爆発してその破片が降ってくる。
そして……高度九千メートルで空中に放り出された原爆だったが坂井大尉の震電によって高速で落下していく原子爆弾の後部を見事に機関砲で破壊すると原爆はそのまま京都市南の丘陵に落ちる。
僅か一分にも満たない時間でエノラ・ゲイ号が撃墜されると同時に空中に放り出された原子爆弾も起爆する前に破壊に成功した一部始終を“さがみ”と伊400の全乗員と37564隊の源田大佐達が息を呑んで見届けると共に大歓声が沸き起こる。
“さがみ”と伊400艦内では終止がつかない程、大歓声と喜びの泣き叫ぶ声が大合唱の状態であった。
日下も橋本と固い握手をしてお互い、頷きあう。
有泉と柳本もお互い顔を見合わせて笑顔で頷き握手をする。
既に残りの米軍機は散開して四方に散って行ったのである。
「岩本・坂井、貴様達よくやったぞ! 出撃時に雷でエンジンが不調になって遅れて来ると聞いた時には冷汗が流れたが……それが幸いだったな! これも天祐なのかもしれないな、とにかく一番の武勲は貴様達だ」
源田大佐の言葉に岩本と坂井は風防から親指を立てて頷く。
日本全国から飛んできた稼働機全機だったが撃墜された機数は三百二十九機にも及んだが幸いに搭乗員は数十名の犠牲に終わった。
生き残ったのはそれなりの腕の持ち主と強運を持った搭乗員であった。
原爆不時着の報告を受けた近畿管区の部隊が原爆が落ちた周囲数キロを封鎖すると共に民間人等全てを封鎖外に追い出す。
その様子を見ていた日下と有泉は一旦、秘密基地に行き伊400の荷電粒子砲の徹底的な復旧作業を決めてその旨を帝都の石原莞爾に送ると直ぐに了解したとの返答が来て“さがみ”と伊400は秘密基地に針路をとる。
「日下さん、私は自惚れていました……。この未来の兵器ならどんな難解な事でも簡単に解決できると……。しかし、今回の原子爆弾の事はショックと共に急ぎの宿題が出来たと」
「そうですね、私もそれに同意です。何処か心の中で得意絶頂の気持ちがありましたが今回の事で本当に己の不甲斐なさと自惚れに己を殴りたい気分ですよ」
源田大佐から両艦の常識を超える凄まじい攻撃によって日本本土を護れたことに対して感謝の通信が送られてくる。
これから自分達は帝都で補給と休息と修理を済み次第、今度はソ連を叩き潰すために出撃するとの事を言ってくる。
“さがみ”と伊400からも互いの健闘を称える。
「荷電粒子砲の完璧な修理作業ですが突貫で三月かかります! それに“さがみ”からの部品調達も必要なので」
吉田技術長の言葉に有泉と日下は頷くがその三月間の日本防衛は大丈夫なのだろうかと気をもむがそこは“おおわし”の探査能力を以て詳細の情報を速攻で提供すると言う事になった。
“さがみ”と伊400が秘密基地に到着した時に驚天動地の報告が入る。
「何だと!? 釧路方面に攻めて来た米艦艇に隠れたソ連軍大輸送船団が全滅して米軍艦艇も全艦が撃沈だと?」
報告と共に“おおわし”が捉えた映像が送られてそれを見た全員が素っ頓狂な声をあげると有泉が呟く。
「まさか……あれは陸上自衛隊だぞ!? 上空には戦闘ヘリ“アパッチ”“コブラ”が飛んでいて地上は……俺達の時代でも噂しか聞いていない百二十五ミリ超電磁砲搭載の戦車が……」
史実では日本全国を焦土と化したカーチス・ルメイ将軍も壮絶な戦死を遂げましたが軍人として死ねた事には納得するのでしょうか?
ここから物語は大幅な急展開を迎えます!
突如現れた陸上自衛隊……果たして?




