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第五話
<3か月後>
足からの反応がごくまれに返ってくるようになった。
俺の場合は麻痺が出ているのが腹筋、背筋の体幹から足全体にかけてで、不完全麻痺という病名となった。
車椅子を使う練習や、ベッドから起き上がる練習など、身の回りのことをできるようになるためのリハビリも始まった。
そして一番大変なこと、それは排泄コントロールだ。
いつ排泄物が出ているのかも分からない、その失敗がなによりメンタル的にくる。
リハビリ以外の変化として、誰かの根回しか行き詰っている事件で、助言が欲しいという文章のみの案件がコハクに舞い込んでくるようになった。
その中は、今まで関わってきたようなそんなに重要な案件はない。
別に俺じゃなくてもいいだろうと思う、だが人に必要とされることこそが重要で、自然に生きがいになっていった。