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感情を持たないロボットの世界で僕だけ人間。

作者: 七瀬




この世界は、、、?

ロボットの世界! 人間は本当は1人もいるはずがなかったのに、、、。

どうしてなのかな、、、?



僕だけ! このロボットの世界にいるんだ、、、!?

迷い込んだのか?

誰かが、僕だけ! このロボットの世界に送り込んだのか?

間違って、僕だけ人間になったのかな、、、?


それは、、、僕にも分からない!

ただ、僕はロボットの家族に育てられたんだよ、、、!


僕の家族は、クルミントというロボットの家族なんだ!

僕のロボットのお父さんとお母さんは、僕がどうして、、、?


このお家にいることになったのか、、、?

何も話してくれないんだけど、、、。


ただ、ふたりとも同じ事を言うんだよ、、、!


『ウルル! 君は僕たちの子供だよ!』

『そうよ! 私たちの大切な子供!』

『・・・でも、僕はお父さんやお母さんみたいに、ご飯を食べない事や

眠らないなんて、そんな事できないよ! お腹が空けば何か食べるし! 

眠くなれば寝るよ、、、! でも、お父さんやお母さんは僕みたいな事

しないよね、、、? 僕がロボットじゃないからだ! どうして、、、? 

僕はロボットじゃないの、、、?』

『・・・ウルル、すまない。』

『私の大切な子供、ウルル!』



あれは、何時だったかな、、、?


僕が3歳になった頃、、、。

僕は、他のロボットの子供たちと違う事に気づいたんだ、、、!


みんな、物凄い記憶力に人間離れの体力と馬鹿力!

どれを、とっても僕は何一つ勝てるものがなかったんだ、、、!



そこから、僕は毎日のように、、、お父さんとお母さんに聞くように

なったんだよ、、、!


僕と同じ年ぐらいのロボットの子供たちからは、、、?

イジメられたり仲間はずれにされるのは、しょっちゅうで、、、。


年齢を重ねれば重ねるほど、、、。

どんどん、エスカレートしていくイジメ...。


それでも、僕と仲良くしてくれるロボットのお友達も出来たんだ、、、!

だから、何とか僕も中学を卒業して、、、。


僕は、人間だから!

毎日、寝る時間も惜しんで勉強しても、ロボットに勝てるはずがない!


それに、一緒にいて気づく事もあるんだ、、、!

人間にある感情が、彼ら(ロボット)にはない事を、、、!


物凄く、合理的なんだよ!


マニュアルやルールに従って、みんな動いているんだ、、、!

少しでも、間違った事をすれば、直ぐに処分されてしまう...。


間違った事をする者は、、、?

機械の故障や何らかのプログラムミスから、ルールを破るんだ、、、!



・・・以前、僕の目の前で、、、。

ルールを破るロボットがいてね、、、!


直ぐに、パトカーに囲まれて、、、!

ロボットのポリス達に、囲まれたかと思ったら、、、?


一斉に、ロボットには致命的になる!

ロボット拳銃で、何十発も打たれて、そのまま清掃車に投げ込まれて

処分されたんだ、、、!


僕以外のロボットも見ていて、そのことを知っているのに、、、。

何も思わないんだよ、、、!


恐怖で大声を出す者もいないし!

誰か、助けを求める者もいない!

何時もの日常生活の話をしながら、普通なんだよ!


人間なら? そんな風にはならないと思う...。


彼ら(ロボット)は、痛みや苦しみ、喜びも楽しさも!

何も感じないんだ、、、!


ただただ、毎日同じ事をしてても、飽きないんだよ、、、!




でもね、、、?

僕のお父さんとお母さんは違うよ。


僕の為に、泣いてくれるし!

一緒に喜んでくれるんだ、、、!


同じロボットだけど、、、?

ふたりは、僕にとって【特別なロボット】なんだよ!



僕も15歳になって! 一人前になったんだ、、、!

ロボットの世界では、15歳で成人なんだよ!


早いように感じるけど、、、?

ここは、ロボットの世界だ、、、!


彼らは優秀だから! 一人立ちも早いんだよ!

僕も、他のロボットたちと一緒で、一人前になったんだ、、、!



僕は、お父さんとお母さんの元から離れて、仕事をして独り暮らしを

する事に決めたんだよ!


『じゃ、行くよ!』

『あなたは大切な私の子供よ、ウルル!』

『ウルルがいないと、寂しい!』

『僕もだよ! お父さん、お母さん!』

『気を付けて行くのよ!』

『うん!』

『元気でな~!』

『うん!』





こうして、僕も一人で! 生活をしていく事になったんだけど、、、?

お父さんとお母さんに、強く言われている事が一つだけあるんだよ!


それが、、、!


『どんな事があっても、ルールに従う事!』

『マニュアルがあるなら、それに従う事!』

『ここは! ロボットの世界よ! 間違った事が嫌いなのよ、ロボットは!

だから、ウルル! 約束してちょうだい! どんな事があっても感情を表に出

してはダメ! 他のロボットたちに、目を付けられるわ!』

『お母さんの言う通りだよ! この世界はロボットの世界なんだ! ロボット

に感情なんてないんだよ! 君は“人間”だ! この手あの手で、君の感情を出

させる為に、ロボットは何でもするんだよ! 決して、ルールを破らなければ! 

ロボットだって! 君に危害を加える事はない! いいね、ウルル!』

『よーく分かってるよ! お父さんとお母さん!』





僕は、よく考える事があるんだ、、、!

どうして、僕だけ“人間”なんだろうと、、、。


どうして、僕だけ! このロボットの世界にいるのか?


でも、そんな事を考えても僕はココに居るし、、、!

ここの世界の者なんだ、、、!


この世界で、生きて行くなら、、、?

ここの世界のルールに従うしかない、、、!


唯一! 僕を心から愛してくれているお父さんとお母さんの為にも。

そして! 僕自身の為にも、、、強く生きて行くよ!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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