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新入生歓迎会 2

 


 この国では18歳で男女共に成人となるがお酒は14歳から許される。

 パーティーにはお酒は付き物。

 とはいえわたしはアルコールに弱いようでお父様にもアンにも外では絶対に飲まないように釘をさされてる。なにかそんなにすごい失態でもあったのかしら??


 綺麗なローズ色の葡萄酒を持って来てくれたアデル王子には申し訳ないけど丁重に断ると代わりの飲み物を取りに行ってくださった。

 アデル王子を待っているとフルートグラスに入った透明な飲み物が横から差し出される。


 クララ様だ。


 淡いブルーの、絹の艶やかなドレスは花を模した規則的な飾りと小さな真珠とで豪華な中にも理知的な雰囲気の佇まい。プラチナブロンドの豪華なカールヘアはそのままおろしていて髪飾りはないけど大きめのプラチナに細やかな真珠の耳飾りを付けている。


 クララ様の愛らしさと気高さが絶妙に表現されてますね~!ここにも有能侍女がいらっしゃる。


「こんばんわファリスさん。これは一見シャンパンのように見えますがエルダーフラワーのコーディアル入りの炭酸水ですわ。お酒じゃなくてもちょっと格好がつきますでしょう?」


 にっこりと微笑むクララ様は本当にお美しい~!キュンときました。あらやだ顔が火照るわ。わたし顔が赤いかも。恥ずかしい~。


「クララ様こんばんわ。ありがとうございます」

 グラスを受け取って飲むとほんのりマスカットのような風味で美味しい。やさしい甘さに癒される。

「わたしこれとても好きです。美味しいです」


「お口に合うようでよかったですわ」

 そう言うとクララ様は優雅な足取りでパートナーの元へ戻って行かれた。

 パートナーはクララ様と同じプラチナブロンドのすらっと背の高い男性。おっふ美形!クララ様そっくりな、クララ様の男性バージョンです。きっとお兄様ではないかしら?

 わたしが見ていると微笑んで会釈して下さいました。キャー素敵!美しい兄弟ですね。眼福。


「クララ様がお酒が苦手な女生徒のために特別に用意してくださった飲み物なんですよ」

 ブロンドヘアに赤いドレスのご令嬢が近寄ってきてそっとわたしに耳打ちして行かれました。たしかいつもクララ様と一緒にいらっしゃる方ですね。




 アデル王子が急ぎ足で戻って来る。

「大丈夫か?ディアドラ」

 うん?なにが?

 出ました子犬系心配顔。きゅう~ん、て仰ってくださらないかしら?なんて。


「クララ様に美味しい飲み物を頂きました」

「ディアドラはお酒飲めないと言っているのにクララめ…!」

「これはお酒ではなくてコーディアルというのだそうですよ」

「その赤い顔を見ればわかる!クララをかばうだなんて優しすぎるぞディアドラは」


 なんかぷんすかしてるかわいい~。

 てかやっぱりわたし顔が赤いですかやだ恥ずかしい~。

 クララ様のキュートな微笑みが原因ですからある意味クララ様のせいですねアデル王子ちょっと正解。


「水をもらってくる」

 アデル王子がまた飲み物を取りに行かれました。


 パーティーは盛り上がって、いつもは王子を取り囲んでざわざわしてる方々もそれぞれ楽しんでらっしゃるようでようやく壁の花になれます。

 端っこでぼーっとできそうです。派手な場所は苦手ですねー。


 壁際で佇んでいて、ふと視線を感じて振り返ると黒髪の男性がこちらをじっと見ています。

 わたしが見返していることに気付かないのか目線が合っているのに真顔でじっと見ています。

 わたしのほうが動揺して目をみはると男性ははっと瞳を左右に泳がせて何もなかったと言わんばかりにそっぽを向いて去って行きました。









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